フランシスの振り付けたダンス、とてもシャープとは言えない動きと人の密集感がとても良く、なぜかうるっとした
- 発売日: 2015/04/22
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私は、基本、ネタバレお構いなしですが、この不思議なタイトル「フランシス・ハ」の意味は映画を見て知った方がいいですね。別にネタというわけではないのですが、作り手のセンスの象徴のようなタイトルです。
モノクロで撮っているのも同じような意味で、カラーで撮っても何か本質的なものが損なわれるわけではないのでしょうが、これが監督を含めこの映画を作っている人たちのセンスだと思います。
音楽もそうですね。デヴィッド・ボウイの「Modern Love」が2回かな、エンドロール入れると3回かな、うまい具合に使われていましたし、その他、耳にしたことのある曲がたくさん使われていました。
ニューヨーク・ブルックリンで親友ソフィーとルームシェアをして、楽しい毎日を送る27歳の見習いモダンダンサー、フランシス。ところが、ダンサーとしてもなかなか芽が出ず、彼氏と別れて間もなく、ソフィーとの同居も解消となり、自分の居場所を探してニューヨーク中を転々とするはめに!さらには、故郷サクラメントへ帰省、パリへ弾丸旅行、母校の寮でバイトと、あっちこっちへ行ったり来たり。周りの友人たちが落ち着いてきていることに焦りを覚え、自分の人生を見つめ直し、もがいて壁にぶつかりながらも前向きに歩き出そうとするフランシス。(公式サイト)
字幕が結構苦労して訳されていたように思いますが、会話やそのリアクションがとても面白いです。
フランシス(グレタ・ガーウィグ)がいいですね。相手のことを考えすぎるのか、つい余計なことを言ったり、受けないジョークを飛ばしたり、グレタ・ガーウィグ自身が脚本に加わっているようですし、プライベートでもノア・バームバック監督のパートナーとの話もあるようで、リラックスして自由に演じています。ダンサー志望でありながら、大柄で、どこか不器用そうな感じが、その後の展開をリアリティあるものにしていますし、地なのか演技なのか、歩き方がフランシスをよく現していました。
結局、ダンサーをあきらめ、ダンスカンパニーの事務仕事をしながらコレオグラファーの道にすすみ、ラスト近くに自ら振り付けたステージがあるのですが、そのダンスも、狭い空間にぶつかりそうなくらいたくさんのダンサーを入れて、人と人との関係をテーマにしているようで、とてもシャープとは言えない動きと人の密集感がとても良かったです。ダンス好きということもあるのですが、なぜこんなところでと思いつつも、ちょっとうるっとしたのでした。
そうそう、親友のソフィーを演じていたミッキー・サムナーさん、スティングの娘なんですってね。
アメリカ映画にしてはとてもオシャレな映画でした(笑)。