アカデミー賞(昨年の)特集のような、このところのDVD鑑賞です。というのは、これ系の映画は劇場へ足を運ぶ際、優先順位が低いのです。
クリント・イーストウッド監督作品の完成型と言ってもいいくらい、(ハリウッド)映画として良くできています。
何といっても、これでもかこれでもかと弱いものがいじめられ、「そりゃないでしょ!ちょっとは反撃しなさいよ、アンジェリーナ!」なんて、イライラさせる(笑)ところなんかは、これぞハリウッド!ってな感じです。でも、やっぱり、ちゃんと救済者が現れるんですね。いわゆる、正義は勝つという二元論的世界観にもとづくハリウッド的モラルです。
ただ、この映画の救済者は、決してスーパーマンではありません。牧師や弁護士なんですが、その登場の仕方も、極めて自然に現れ、救済行為も一発逆転ではありません。このあたりが、クリント・イーストウッド監督の優れたところ、この映画だけではありませんので、彼の美学的なものかも知れません。
それに、良くも悪くも女優(あえてこの言葉を使う)でまわるハリウッドって感じです。説明は省きますが、主役のアンジェリーナ・ジョリーのポジションが、極めてハリウッド的です。主演女優賞ノミネートでしたか、おさえた演技でなかなか良かったと思います。
実際にあった話を元にしているとのこともあるのでしょうか、チャンチャンといったエンディングとしていないことも良い結果となっています。とは言っても、結局のところ、ドラマ、ドラマ、ドラマで展開しますので、どうでしょうか、映画の枠は超えられませんね〜。(映画なんだからいいじゃない!チャンチャン!)
といった感じで、正統派ハリウッド映画でありながら、全般的に抑えたつくりとなっているのが好印象です。
でも、私の場合、DVDで観ればいいです。