最新映画レビュー

助産師たちの夜が明ける

2024.10.08

さ行,

ドキュメンタリータッチでパワフルだが、ややドラマっぽさが気になる…「愛について、ある土曜日の面会室」のレア・フェネール監督です。とてもいい印象が残っている映画で、レビューを読み返してみましたら「長編デビュー作でこの映画が撮れますか!28歳にしてこれだけ多様な人間たちが描けますか!」と絶賛しています。助産師たちの夜が明ける / 監...

エストニアの聖なるカンフーマスター

2024.10.07

あ行,

カンフーやブラック・サバスや宗教というよりもラファエルとリタのラブストーリーかも…なかなか難しい映画だった「ノベンバー」のライナル・サルネット監督です。この「エストニアの聖なるカンフーマスター」を見ますとその難しさの理由が氷解します(笑)。エストニアの聖なるカンフーマスター / 監督:ライナル・サルネット明らかに見ている...

HAPPYEND

2024.10.05

は行, , 英数字, 英字

青春ものとしてはクリアさに欠け、社会批判ものとしては煮えきらず、方向性に迷ったのかも…空音央監督、「そら ねお」と読むそうです。1991年生まれとありますので33歳くらいの方です。坂本龍一さんの息子さんなんですね。この映画は今年2024年のヴェネツィア国際映画祭オリゾンティ部門に出品されています。受賞はなかったようです。...

憐れみの3章

2024.10.02

あ行,

レイモンドは神になり、ダニエルはカニバリズムの夢に溺れ、エミリーは神の国から追放される…つい半年前に「哀れなるものたち」を見たばかりのヨルゴス・ランティモス監督です。たまたま公開が重なったというわけではなく制作もわりと近接しているようです。その「哀れなるものたち」は幼稚でつまらない映画でしたが、こちらはきっちり映画になっています。でもよくわからないし、面...

傲慢と善良

2024.09.28

か行,

「傲慢」も「善良」も、え?と言うほどの今どきのラブストーリーでした…『高慢と偏見』が意識されているんだろうと思い興味を持ったのですが、見てみれば、「傲慢さ」もほどほど、「善良さ」にいたっては何のこと? という程度の今どきのラブストーリーでした。傲慢と善良 / 監督:萩原健太郎今どきのラブストーリー…あらすじとして...

おすすめ映画

ふたごのユーとミー 忘れられない夏

2024.06.29

おすすめ映画, は行,

美しきタイ ナコーンパノムと美しくもほろ苦きユーとミーの青春物語…タイ映画です。タイトルや画像のとおり、双子のユーとミーのちょっとほろ苦い青春物語です。高校生の年齢設定だと思います。制作会社は「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」や「ハッピー・オールド・イヤー」のGDH559です。この会社の映画はどれもレベルが高いです。ふたごの...

フィリップ

2024.06.25

おすすめ映画, は行,

フィリップを演じているエリック・クルム・ジュニアさんがすごい…映画の紹介文からの刷り込みや画像からの印象を捨てて見ますとこれがなかなかすごい映画なんです。まずは「ナチスの妻たちを次々に誘惑」とか「ナチスへの復讐」という言葉を忘れましょう(笑)。フィリップ / 監督:ミハウ・クフィェチンスキ1941年、ワルシャワ・ゲットー...

No.10

2024.06.07

おすすめ映画, な行, , 英数字, 英字

「No.10」はアレックス・ファン・ヴァーメルダム監督自身の10作目という意味らしい…オランダのマルク・ファン・ヴァーメルダム監督の2021年の映画です。初めて目にする名前ですが、2013年に「ボーグマン」という映画でカンヌのコンペティションに選出されたことがあるようです。オランダの映画監督といいますと、「エル ELLE」や「ベネデッタ」のポール・バーホ...

人間の境界

2024.05.04

おすすめ映画, な行,

どう考えても理不尽なことなのに、それをスクリーンで見ているだけの居心地の悪さ…「ソハの地下水道」「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」のアグニエシュカ・ホランド監督です。前作の「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」では、ホロドモールというスターリン時代のソ連邦によるウクライナの人為的な飢餓を知りました。そして、この「人間の境界(Green Border)」で...

12日の殺人

2024.03.16

おすすめ映画, さ行, , 英数字, 数字

謎解きでもなく、ドキドキ感を煽ることもなく、なのに面白い…前作「悪なき殺人」では、2019年の東京国際映画祭で最優秀女優賞と観客賞を受賞していたドミニク・モル監督です。この「12日の殺人」では、昨年2023年のセザール賞で作品賞、監督賞、助演男優賞、有望若手男優賞、脚色賞、音響賞を受賞しています。期待できそうです。12日の殺人 ...

よく読まれている記事

憐れみの3章

2024.10.02

あ行,

レイモンドは神になり、ダニエルはカニバリズムの夢に溺れ、エミリーは神の国から追放される…つい半年前に「哀れなるものたち」を見たばかりのヨルゴス・ランティモス監督です。たまたま公開が重なったというわけではなく制作もわりと近接しているようです。その「哀れなるものたち」は幼稚でつまらない映画でしたが、こちらはきっちり映画になっています。でもよくわからないし、面...

ナミビアの砂漠

2024.09.06

な行,

あみこ、カナ、山中瑶子監督の分身かな…前作「あみこ」のレビューに「こういう才能が継続的に映画が撮れるといいのですが…」と書いた山中瑶子監督の長編二作目です。今年2024年のカンヌ国際映画祭の監督週間で上映され、国際映画批評家連盟賞を受賞したとのことです。ナミビアの砂漠 / 監督:山中瑶子ナミブ砂漠の人工水飲み場…...

傲慢と善良

2024.09.28

か行,

「傲慢」も「善良」も、え?と言うほどの今どきのラブストーリーでした…『高慢と偏見』が意識されているんだろうと思い興味を持ったのですが、見てみれば、「傲慢さ」もほどほど、「善良さ」にいたっては何のこと? という程度の今どきのラブストーリーでした。傲慢と善良 / 監督:萩原健太郎今どきのラブストーリー…あらすじとして...

助産師たちの夜が明ける

2024.10.08

さ行,

ドキュメンタリータッチでパワフルだが、ややドラマっぽさが気になる…「愛について、ある土曜日の面会室」のレア・フェネール監督です。とてもいい印象が残っている映画で、レビューを読み返してみましたら「長編デビュー作でこの映画が撮れますか!28歳にしてこれだけ多様な人間たちが描けますか!」と絶賛しています。助産師たちの夜が明ける / 監...

青い車

2020.05.19

あ行,

(DVD)16年前の宮﨑あおい、ARATAがむちゃ新鮮。この自粛期間中にDVDでみた「黒四角」の奥原浩志監督の2004年の映画です。16年前です。その時生まれた子供は16歳、20歳であれば36歳、それなりに時の流れを感じるには十分な年数です。実際、この時18歳の宮﨑あおいさんは現在34歳、29歳のARATAさんは現在45歳となり井浦新に改名されています。...