ピアニストはゴドーになり得たか… 七里圭監督の名前がふっと目に入りましたのでポチッとしてみました。久しぶりです。ピアニストを待ちながら / 監督:七里圭ゴドーを現代に置き換えた?…「ピアニストを待ちながら」ですから当然「ゴドーを待ちながら」が意識されているわけですが、こういうのはなんて表現するんでしょうね。映画の批...
感傷的にならないよう過剰さを避けてつくられたいい映画… マレーシアと台湾の合作となっていますが、映画の舞台はクアラルンプールですし、監督もマレーシアのジン・オング監督です。現在50歳くらい、自分の制作会社を持っており、IMDb によればプロデューサーとして3作品、そしてこの映画が初監督作品です。社会の底辺に生きる人々を描いた映画ですが、感傷的になら...
韓国、アメリカ、アイデンティティのゆらぎ… これもよくタイトルを目にした映画です。公開時に見なかったのはアメリカ映画のラブストーリーはつまらないからなんですが(ゴメン…)、見てみましたら結構面白かったです。パスト ライブス/再会 / 監督:セリーヌ・ソン韓国人はノーベル賞をとれない…ただ、面白かったのはほぼ終盤のノ...
40年前は男のロマンティシズムでも、2025年の今からみればDV… 「バグダッド・カフェ 4Kレストア」に続いてのリバイバル上映「パリ、テキサス 4K レストア版」です。なんと! 当時見ていると思っていたのに見ていませんでした。多分「アメリカ、家族のいる風景」や「ランド・オブ・プレンティ」とごちゃごちゃになっていたんだと思います。...
I am calling you. Can't you hear me? I am callin you. 昨年2024年あたりからリバイバル上映が特に多くなっているように感じます。洋画の新作に客が入らなくなったからなのか、名作と言われる映画の 4K修復作業が進んでいるからなのか、まあその両方なんでしょう。バグダッド・カフェ / ...
イザベル・ユペールさんはシュールなんですが、映画はシュールにならず、ジョーク?… イザベル・ユペールさんだからということでポチッとした映画ですが、なんと言っていいかよくわからない映画でした(笑)。エリーズ・ジラール監督? とサイト内を検索してみましたら7年前に「静かなふたり」を見ていました。それにその映画はイザベル・ユペールさんの娘ロリータ・シャマさんが主...
こういう映画にどうこう言うのも野暮というもの… 佐藤健さん目当てと自分の忍耐力を試すために見てみました(笑)。以下、映画の内容については何も書いていません。はたらく細胞 / 監督:武内英樹こういう映画にどうこう言うのも野暮だが…もう少し面白いんじゃないかと多少の期待を持って見に行ったのですが、面白みという点ではあり...
キャシーの語りという二重構造で嫌な男臭さが消えている… バイクは映画の小道具としてよく使われます。その多くは疾走感の演出であり、それが二人乗りになれば、プラス親密さとともに脱出や逃走のニュアンスが加わります。そして、そのどちらであってもベースには自由への希求といった意味合いが込められています。でも、この「ザ・バイクライダーズ THE BIKERID...
…と言うよりも、エイミーをエイミー視点で描いた音楽映画… 2008年のグラミー賞で主要4部門のうち最優秀新人賞、最優秀レコード賞、最優秀楽曲賞の3部門を含む5部門を受賞したエイミー・ワインハウスさんの伝記映画です。ワインハウスさんは、2011年、27歳のときに急性アルコール中毒で亡くなっていますので27クラブのひとりと言われています。...
続編は『ふたりから始まる IT STARTS WITH US』って、アトラスとかい? なかなか奇妙なタイトルの映画ですね。ということで目を引き、映画ファンにはうるさいやつが多いから(笑)配給も邦題付けに苦労しているんだなあとか、それを逆手にとった宣伝手法かなあとか、それこそうるさい気持ちで(笑)見てみた映画です。ふたりで終わらせる...
女性蔑視じゃないか…、と書評に続き、またも書き過ぎたか… 石井裕也監督は日本の映画監督の中ではかなり多作な監督だと思います。2009年の「川の底からこんにちは」をメジャーデビュー作としますと、この「本心」まで15年間で14作撮っています。1年1本ペースです。それだけ評価が高く、あれこれ声がかかるということなんでしょう。本心 / 監...
不可解な大人たちの行動と、そして少女の眼差しの意味するもの… 2014年の「雪の轍」が196分、2018年の「読まれなかった小説」が189分、そしてこの「二つの季節しかない村」が198分、3時間超えが当たり前のヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督です。それだけの時間を掛けないと描けないものがあるということなんでしょうが、それが何なのかを見つけ出すのが難しい監督では...
青春ものとしてはクリアさに欠け、社会批判ものとしては煮えきらず、方向性に迷ったのかも… 空音央監督、「そら ねお」と読むそうです。1991年生まれとありますので33歳くらいの方です。坂本龍一さんの息子さんなんですね。この映画は今年2024年のヴェネツィア国際映画祭オリゾンティ部門に出品されています。受賞はなかったようです。...
CODAの話ではなく、五十嵐大の半生記、あるいは青春放浪記みたいなもの… コーダ(CODA)という言葉を、またそれが Children of Deaf Adults の頭文字を取った言葉であり、両親、またはそのどちらかが聴覚障害者の子どものことだと知ったのは2022年のアカデミー賞作品賞を受賞した「コーダ あいのうた」です。ぼくが...
ドラマはほぼすべて創作だと思うがザイア・ジウアニさん本人のすごさは伝わる… 現在46歳、実在のフランスの音楽家、指揮者のザイア・ジウアニさんの17歳から20歳くらいまでを描いた映画です。女性の指揮者というだけではなく、若干20歳にして自らのオーケストラ、ディベルティメント管弦楽団を立ち上げています。パリのちいさなオーケストラ / ...
「二作目を期待しますが、撮らないかもしれませんね」と書いたけど、撮りましたね… 「僕はイエス様が嫌い」の奥山大史監督、その映画を見たのはちょうど5年前です。レビューを読み返してみましたら「びっくりするくらい映画がまとまっています。若いのに老成という言葉まで浮かんで」くるとまで書いています。それに「二作目を期待しますが、撮らないかもしれませんね」とも...
パキスタン系イギリス人のムスリムたちはどんだけ裕福なんだ?… え?! こんな映画だったの?映画.comの「ムスリムの姉妹を活写したイギリス初の青春バトルアクション」だけが目に入り、面白いかもと見に行った自分のせいです(涙…)。ポライト・ソサエティ / 監督:ニダ・マンズールボリウッドかと思った…予想していた...
この映画は「安倍公房」的ではなく「石井岳龍」的なるもの… 「“あの”悲劇から27年―」ってなんのことかと思いましたら、そんなことがあったんですね。箱男 / 監督:石井岳龍映画化してはいけない原作…「箱男」映画化の企画は、27年前の1997年に一度日独合作で製作が始まったもののハンブルクでのクランクイン前日に日本側の...
YOIHI PROJECTからの劇場映画第2弾「プロミスト・ランド」なんだけれど… 「せかいのおきく」と同じYOIHI PROJECTからの第2弾劇場映画「プロミスト・ランド」です。『YOIHI PROJECT』の映画、ドキュメンタリーのテーマのひとつは、日本人が古来から大切にしてきた「自然との共生」です。世界が生物圏に負荷をかけず、自然を増やし...
アメリカ映画のアクションものはつまらない(ゴメン…)… デヴィッド・リンチ監督はそれなりに見ていますが、デヴィッド・リーチ監督は初めて見ます。それにジャンルとして、最近はほとんど見ないジャンルですのでなにか語る言葉も持ち合わせていません。なんとなくポチッとした映画です。フォールガイ / 監督:デヴィッド・リーチ書くことが何...