あみこ、カナ、山中瑶子監督の分身かな…前作「あみこ」のレビューに「こういう才能が継続的に映画が撮れるといいのですが…」と書いた山中瑶子監督の長編二作目です。今年2024年のカンヌ国際映画祭の監督週間で上映され、国際映画批評家連盟賞を受賞したとのことです。ナミビアの砂漠 / 監督:山中瑶子ナミブ砂漠の人工水飲み場…...
HPやチラシのヴィジュアルが2020東京オリンピックの盗作騒ぎのロゴ(T)みたいなんだけど…「LETO レト」「インフル病みのペトロフ家」のキリル・セレブレンニコフ監督です。「チャイコフスキーの妻」であるアントニーナ・ミリューコヴァを描いた映画ですが、伝記映画というわけではなく、キリル・セレブレンニコフ監督の大胆な創作です。一昨年2022年のカンヌ国際映...
絶滅収容所を生き延びた実在のポーランド人ボクサーの3年間アウシュヴィッツへ最初に大量輸送された囚人のひとりでありながら戦後まで生き延びたポーランド人ボクサー、タデウシュ・ピエトシコフスキさんの物語です。1991年に74歳で亡くなっています。アウシュヴィッツのチャンピオン / 監督:マチェイ・バルチェフスキタデウシュ・“テ...
「原作に乱暴」過ぎないか…吉田修一さんの『愛に乱暴』が映画化されることを知り、わざわざ原作を読み…、というわけでもなく、吉田修一さんの小説はほとんど読んでいるのにこの『愛に乱暴』を知りませんでしたので読んだということで、その結果、原作を読んで映画に臨んだ(笑)みたいなことになりました。愛に乱暴 / 監督:森ガキ侑大こんな...
日本という箱庭の中のお話…なんとなくスルーしてしまった映画、その少し前に見た同じ白石和彌監督の「孤狼の血 LEVEL2」がしょうもなかったからかもしれません(ゴメン…)。なのでDVDで見てみました。死刑にいたる病 / 監督:白石和彌倍速視聴の気持ちがわかる…こういうサスペンスものは劇場で見ないとダメですね。集中で...
パキスタン系イギリス人のムスリムたちはどんだけ裕福なんだ?…え?! こんな映画だったの?映画.comの「ムスリムの姉妹を活写したイギリス初の青春バトルアクション」だけが目に入り、面白いかもと見に行った自分のせいです(涙…)。ポライト・ソサエティ / 監督:ニダ・マンズールボリウッドかと思った…予想していた...
どう考えても理不尽なことなのに、それをスクリーンで見ているだけの居心地の悪さ…「ソハの地下水道」「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」のアグニエシュカ・ホランド監督です。前作の「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」では、ホロドモールというスターリン時代のソ連邦によるウクライナの人為的な飢餓を知りました。そして、この「人間の境界(Green Border)」で...
美しきタイ ナコーンパノムと美しくもほろ苦きユーとミーの青春物語…タイ映画です。タイトルや画像のとおり、双子のユーとミーのちょっとほろ苦い青春物語です。高校生の年齢設定だと思います。制作会社は「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」や「ハッピー・オールド・イヤー」のGDH559です。この会社の映画はどれもレベルが高いです。ふたごの...
「No.10」はアレックス・ファン・ヴァーメルダム監督自身の10作目という意味らしい…オランダのマルク・ファン・ヴァーメルダム監督の2021年の映画です。初めて目にする名前ですが、2013年に「ボーグマン」という映画でカンヌのコンペティションに選出されたことがあるようです。オランダの映画監督といいますと、「エル ELLE」や「ベネデッタ」のポール・バーホ...
謎解きでもなく、ドキドキ感を煽ることもなく、なのに面白い…前作「悪なき殺人」では、2019年の東京国際映画祭で最優秀女優賞と観客賞を受賞していたドミニク・モル監督です。この「12日の殺人」では、昨年2023年のセザール賞で作品賞、監督賞、助演男優賞、有望若手男優賞、脚色賞、音響賞を受賞しています。期待できそうです。12日の殺人 ...
1階は性衝動、2階は苦悩、3階は抑圧、そして開放「息子の部屋」「ローマ法王の休日」「母よ」のナンニ・モレッティ監督です。昨年2021年のカンヌ映画祭のコンペティションに出品されています。受賞はありませんでした。「TITANE/チタン」がパルムドールに選ばれた年ですから、この映画の傾向じゃそりゃ無理でしょう。3つの鍵 / 監督:ナ...
吉野竜平監督の構成力と佐久間由衣、奈緒の俳優力が光る原作の津村記久子著『君は永遠にそいつらより若い』を読んでいなければ見なかったかも知れない映画、見てよかったです。俳優よし、構成よしの映画らしい映画でした。君は永遠にそいつらより若い / 監督:吉野竜平吉野竜平監督の構成力が素晴らしい人物にバックボーンが感じられるネタバレあらすじホリガイさ...
フィリップを演じているエリック・クルム・ジュニアさんがすごい…映画の紹介文からの刷り込みや画像からの印象を捨てて見ますとこれがなかなかすごい映画なんです。まずは「ナチスの妻たちを次々に誘惑」とか「ナチスへの復讐」という言葉を忘れましょう(笑)。フィリップ / 監督:ミハウ・クフィェチンスキ1941年、ワルシャワ・ゲットー...
あなたは現実を見てみぬふりをしているだけだと、言えば言うほどさとくんに近づいていく…このところ見る映画の邦画比率が無茶苦茶高くなっています。それだけ見たいと思う海外の映画が入ってこなくなっているということだと思います。カンヌ、ベルリン、ヴェネツィアあたりの映画祭の受賞作じゃないと客が入らないということなのかも知れません。いや、受賞作であってもさほど入って...
残念、佐藤健、阿部寛の共演生かされずこのところ続けざまに日本映画の社会派ドラマ(と言われる映画)を見ていますので、それが自ら望んだものであるとはいえ、やや食傷気味のところへ、さらにこの「護られなかった者たちへ」です(笑)。ただ、佐藤健さんと阿部寛さんの共演ということで俳優力で見せる映画だろうと期待は大なのですが、さて…護られなかった者たちへ / 監督:瀬...
求められる女性らしさと老いに苦しむ1878年のエリザベート…ミュージカルにもなっているオーストリア=ハンガリー帝国の皇后エリザベート(エリーザベト)の映画です。伝記映画ではありません。タイトル(邦題)に1878とあるように、エリザベートが40歳になる1878年一年に絞った映画です。エリザベート 1878 / 監督:マリー・クロイ...
ボレロ、ラヴェル、二兎を追うものは一兔をも得ずか…モーリス・ラヴェルの伝記ものです。監督はアンヌ・フォンテーヌさん、私が過去に見ているのは「夜明けの祈り」ですが、「ココ・アヴァン・シャネル」のほうがよく知られているかもしれません。ボレロ 永遠の旋律 / 監督:アンヌ・フォンテーヌラヴェルと言えばボレロだが…タイト...
センスと技術力は感じるが、またも物語は語れても物語を生み出せない日本映画の現状の一作か…劇場公開時、見逃していますのでDVDです。監督、脚本は土井笑生さん、商業デビュー作とのことです。出演は倉悠貴さんと見上愛さん、どちらも初めて見ます。衝動 / 監督:土井笑生2020年の青春残酷物語2020年東京渋谷、名前を失っ...
こういう才能が継続的に映画が撮れるといいのですが…映画.com から宣伝コピーを引用しますと、第39回ぴあフィルムフェスティバルで取り上げられ、PFFアワードで観客賞を受賞。その後も、第68回ベルリン国際映画祭のフォーラム部門に史上最年少で招待されたほか、香港国際映画祭やカナダのファンタジア映画祭など、各国の映画祭で上映された。という映画です。公式サイト ...
こんな映画、誰が見つけてきたんだ?!女は愛で復讐する!1969年、55年前のイタリア映画です。監督のピエロ・スキヴァザッパさんも特別名の知れた監督というわけでもなさそうですし、どこかの映画祭で取り上げられた気配もありませんし、いったい誰が見つけてきた映画なんでしょう(笑)。男女残酷物語/サソリ決戦 / 監督:ピエロ・スキヴァザッ...