そんなには褒めないよ。映画評

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ようこそ映画音響の世界へ

目立たない方が良い映画という悲しい世界

2020/09/28

タイトル通りの映画です。

1927年に映画がトーキーとなってから現在までの映画音響の歩みと Sound department の現場ではどんなことが行われているかの触りを紹介している映画です。

ようこそ映画音響の世界へ

ようこそ映画音響の世界へ /監督:ミッジ・コスティン

映画制作の上で評価される部門と言いますと、まず監督と俳優、そして脚本、美術、撮影、音楽と続いて、その次くらいにやっとでてくるのが音響じゃないかと思います。出てこないかな…(涙)。

実際、何をしているのかわかりにくい部門ですし、音響がよかったと言われる映画はそうはないですね。ドルビーアトモスとか IMAX など新しい技術が話題になることはあっても技術者が評価されることは映画祭での受賞くらいしかないでしょう。

監督のミッジ・コスティンさんは、公式サイトによれば、

25年にも渡り、ハリウッドで主に音響デザイナー、音響編集者として活躍。当時は同職に女性が少なかったものの、『クライ・ベイビー』(90)、(略)、など数多くの大作に参加。『クリムゾン・タイド』(95)と『アルマゲドン』(98)では、ゴールデン・リール賞の音響編集賞を受賞。音響効果監督組合ゴールデン・リール賞の元理事であり、長年に渡り全米編集者組合のメンバーである。

という方です。

映画の中の登場人物としては女性が結構たくさんいるなあという印象でしたが、さすがにハリウッドでも30年前は男性の仕事だったようです。 コスティンさんが先駆けということなんでしょう。

あら? 公式サイトの CAST を見ますと男ばかりですね。映画の印象はそうでもなかったんですけどね。10年後には音響デザイナーの大半が女性になるのかも知れません。

映画の構成は前半が映画音響の歩み、そして後半が映画音響のパートを Voice(音声)、Sound Effects(SE)、Music(音楽)に分けて説明しています。ほぼ全てインタビューで構成されています。じっくり話を聞くような構成になっていませんので正直言って慌ただしいです。その点でもタイトル通りの映画音響入門編の映画です。

いずれにしても目立たなくてもこれがなければ映画にならないという映画音響です。たとえば、「TENET テネット」など割りと先端的な映画では映像が話題になりやすいのですが、音楽を含めた音響効果がなければ無茶苦茶しょぼく感じると思います。

ということで、この「ようこそ映画音響の世界へ」についてはこれ以上語ることもありませんので、これまで見た映画で音響効果に目がいった(耳がいった)映画をあげてみようと思います。

まずよい印象の映画です。

つい最近 DVD で見たんですが導入のシーンの Sound Effects が印象的です。

これは台詞やガヤをまるで音楽のように構成して重層的に見せています。 

アッシュ・メイフェア監督自身が音響デザイナーでもあるようで音楽を含めた音響デザインにかなり力が入っています。

かなり古い映画ですが、ピアノをゴロゴロ引く音とか Sound Effects が印象的でラストのピアノ演奏が圧巻です。

音楽がよかった映画はたくさんありますが、やはり音楽を除いた音響という点ではあまり思い浮かびませんね。

最近の映画で音響的に印象の悪い映画をひとつ。

これは音楽の趣味(笑)の範疇によるものかも知れませんが、音楽とも効果音ともつかない音響が邪魔をしています。

もうひとつ。

はっきりいってうるさいです(笑)。 

結局、音楽に限って言えば良し悪しは趣味ですね(笑)。 

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