蛇の道

はたしてこの映画でフランスでの黒沢清監督の評価の高さを感じられるか…

1998年の黒沢清監督自身による「蛇の道」のセルフリメイクなんですね。知りませんでした。それにしても黒沢清監督はフランス(ヨーロッパかな?…)での評価が高いですね。不思議です(ゴメン…)。

蛇の道 / 監督:黒沢清

コメディ狙いの失敗作か…

やっぱりなぜフランスで評価が高いのか分かりません。

コメディを狙ったけれども俳優がそれを理解していなかったとか、そんな感じのする映画です。

まあそれは冗談ですが、内容はシリアスなんですが、各シーン、各シーン、陳腐なことが多いんです。黒沢監督にはなにか違うものが見えているということなんでしょう。

それを知りたくて毎回見に行くんですが、今回も見つかりませんでした。

ただ、ふと思ったのは、今回、銃撃シーンを見ていて、とてもダサいんですが、これが現実じゃないかと思えてきました。考えてみれば、いわゆるアクションものの銃撃シーンはいろんな撮影テクニックが使ってあると思われますが、この映画は何もしていません。引いた画のままでお互いに撃ち合って、バーンで撃たれたほうが倒れます。人間、実際にはそんなカッコいいことはできません。

これがこの映画を見た収穫ですかね。

それともうひとつ、黒沢清監督は、「スパイの妻」もそうなんですが、増村保造監督の時代の映画をイメージしているんじゃないでしょうか。フランスで言えば、ヌーヴェルヴァーグあたりの映画です。

柴咲コウさん、力入りすぎじゃない…

子どもの臓器売買をしている集団への復讐劇です。

小夜子(柴咲コウ)はフランスで働く精神科医です。3ヶ月前(だったと思う…)、森の中でかなり損壊された少女の死体が発見されます。その父親が小夜子の働く病院の治療を受けています(ということだと思う…)。

小夜子はその男アルベール(ダミアン・ボナール)に近づき、犯人を見つけるために協力を申し出ます(ということだと思う…)。

映画はここから始まります。後に小夜子がアルベールに近づくフラッシュバックのワンシーンがあるだけです。

で、二人で犯人を追い詰めていくわけですがなんの障害もありません。いもづる式に男たち3人を順番に拉致して、ラスボスのアジトにたどり着きます。

そのアジトに行ってみれば、そこにアルベールの妻が子どもたちとともにいます。妻はカリスマ性のある前任者の後を継いたけれでも私にはできないと言っています。

どういうことかよく分かりませんし、そもそも辻褄のあっている話ではなさそうですが、結局、ある女性をカリスマとした集団があり、そこでは子どもの臓器売買をやっており、拉致してきた男たちはそのメンバーであり、アルベールの妻はその女性に心酔して仲間になったということ(かな?…)です。

で、ややこしいのは、アルベール自身も、その集団が子どもたちを殺害する現場を撮った映像を販売することを請け負っていたらしく、さらによくわからないことに、自分の娘をその集団に売ったのはアルベールということのようです。

アルベールの妻もアルベールも小夜子に殺されました(違ったかな…)。

小夜子の立場はどういうことかといいますと、これは最初から予想がつくことですが、自分の子どももその集団に殺されているということです。その復讐劇です。また、アルベールの場合と同じようにその子どもを売ったのは小夜子の夫、宗一郎(青木崇高)でした。

なんじゃ、こりゃ?

西島秀俊さん出演はなんのため?…

西島秀俊さんがフランスに赴任している日本人の役で出演しており、慣れない土地での生活に馴染めずに小夜子の診療を受ける役で出ていました。そして、映画中頃に死んでいました。あれ、死因はなんでしたっけ? 自殺? 小夜子が処方した薬の過剰摂取? 小夜子が毒を持った?

という、とても不思議な映画でした。