バディもの、BLものとしてつくるべきだと思うよ
日本のミステリーはどんなもんか? と思って見た映画。
でもないのですが、見る映画もないし日本の映画はないかなと映画.comを見てみましたら最初に出てきましたので選びました(笑)。
原作とトーンが違うんじゃない?
もちろん原作も読んではいませんし、ヤマシタトモコさんという方もまったく知りませんが、タイトルの「さんかく窓の外側は夜」というタイトルから受ける印象とは映画が全く違います。
映画はいたって真面目に霊やら呪いやらを語ろうとしています。
映画に遊びがないです。この内容をマジにやっても陳腐(ごめん)なだけで実際そうなっています。
と思い、ちょっとググってみましたら、やっぱり原作にはバディだのBLだのの言葉が散見されます。
もうちょっとノリよく、探偵ものっぽく作ればよかったのにと思います。
ネタバレあらすじとちょいツッコミ
本屋の店員三角康介(志尊淳)が仕事中に幽霊を見ます。後退りしていますと、冷川理人(岡田将生)が現れ三角の胸に手を置いて幽霊に手をかざしますと幽霊は消えてしまいます。
三角が怖いから見ないようにしていると言いますと、冷川は君は自分が見てきたものを否定するのかと言い、助手になって欲しいと言います。
連続殺人事件が起きています。刑事半澤が登場します。半澤は冷川と親しく、冷川に事件解決の相談をします。事件は身体の一部がない死体が複数見つかっており足りない部位を合わせると一人の人間ができるというものです。
冷川と三角の力で縫い合わされた死体はすぐに見つかります。冷川があれは呪いのなんとか(忘れた)だと言っています。
この映画、物語にツッコミを入れるような映画ではありませんのでそんな野暮なことはしませんが、映画のつくりはかなりひどいです。この縫い合わされた死体の件もおっぽり出されてこのまま忘れ去られています。
街中に高校生ヒウラエリカ(平手友梨奈)が登場します。すれ違う女に道を尋ねるふりをして呪いをかけます。女は車道に飛び出しはねられます。
女は北川景子さんです。あざといキャスティングです(笑)。
このあたりから幽霊が見えるとか除霊するとかの話はすっ飛んでしまい呪いの話に変わります。ですので、冷川と三角がふたりで行動するというバディものの気配はまったくありません。冷川の過去を説明する映画になります。
ここからは特に現在進行形の物語はありません。刑事半澤の妻に呪いがかけられたり、通り魔事件や放火事件が多発していると半澤に報告が入ることはありますが映画的には意味はありません。
冷川の過去はこういうことです。十数年前と言っていたと思います。
あるカルト教団があります。冷川の母親が入信しています。冷川に特殊な能力があることから教祖様に祭り上げられます。冷川はそれが嫌でカレイドスコープを見る(よくわからんけど(笑))ことに逃避しています。ある時、冷川はキレて教団の信者たちを全員呪い殺してしまいます。
これが氷川の過去です。
半澤がその事件を担当し、唯一の生存者冷川を発見します。冷川はそれ以来記憶を失っています。その教団跡地は廃墟となっており(なのかな?)、そこには呪いが充満しています。
で、(よくわからんけど)三角とヒウラエリカと、そして冷川も加わってその呪いを解いたんだと思います。
あれ? 呪いは冷川がかけたんじゃなかったっけ?
まあ辻褄を言い出したら最初から成立しない映画ではあります。
それに書いていませんが、三角は幽霊が見えるという能力のせいで子供の頃にいじめられていたようでそのシーンが何度も挿入されます。同級生にいじめられているのかよくわかりませんが、川沿いで帰れ!とか言われて逡巡するシーンが何度もあります。これもおっぽり出されて何が何だかわかりません。
ヒウラエリカもそうですね。ラストに学校の教室の窓際に座りぼんやり外を見ているシーンを入れていましたがあれも何だかよくわかりません。ヒウラエリカの能力は何だったんでしょう。どういう存在だったんでしょう。
とにかく、映画のつくりは雑です。
音楽で煽る演出
徹底して音楽で煽っています。効果音も使っていたとは思いますがとにかく音楽です。
森ガキ侑大監督、CMをかなり作っている監督とのことでそれを聞きますとなるほどという映画のつくりです。
これがシナリオ通りだとすればシナリオもどうかと思います。