奈緒さんのインティマシー・コーディネーターを入れて欲しいとの要望を三木康一郎監督が拒否したらしい…
奈緒さんは「君は永遠にそいつらより若い」を見てからはかなり注目している俳優さんですので主演映画ということで早速見てきました。
が、今、他の出演者名を見ようとググっていましたら、なにー! 奈緒さんが「インティマシー・コーディネーターを入れて欲しい」と申し出たのに、三木康一郎監督が拒否した(正確には自分で調べてね…)って記事が結構上がっています。
日本の映画界はまだ気づいていない…
どういうこと? と、2、3読んでみました。元ネタはこの三木康一郎監督のインタビュー記事のようです。
奈緒さん側からは『インティマシー・コーディネーター(性描写などの身体的な接触シーンで演者の心をケアするスタッフ)を入れて欲しい』と言われました。すごく考えた末に、入れない方法論を考えました。間に人を入れたくなかったんです。ただ、理解しあってやりたかったので、奈緒さんには、女性として傷つく部分があったら、すぐに言って欲しいとお願いしましたし、描写にも細かく提案させてもらいました。性描写をえぐいものにしたくなかったし、もう少し深い部分が大事だと思っていました
(主演女優オファーに難航、「10人くらい」に断られ⋯約10年かかった男女の性の格差を描いた 『先生の白い嘘』)
「入れない方法論」というのは、おそらく、一対一で話し合って「女性として傷つく部分があったら、すぐに言って欲しい」と奈緒さんに伝えたということを指しているんでしょう。
「間に人を入れたくなかった」?
ちょっと意味がわかりません。俳優が性的表現においては自分の意志を直接監督に伝える環境にないと考えていると言っているのに、直接言ってほしいって、自分がどういう立場にいるかまったく自覚がないということです。
私は「拒否」という言葉を使いましたが、仮に三木康一郎監督がそれに答えるとしたら、拒否なんてしていない、話し合って納得してくれたと言うんでしょう。最悪のケースですね。
日本じゃなければ、もう監督としてやっていけないくらい最悪だと思います。
で、もっと気になるのが、製作サイドの対応なんですが、これにどう対応したんでしょう。まさか知りませんでしたはないとは思いますが、結果からみれば監督と同じということになります。
こんなことしていたらダメです。
まさか、宣伝に利用しようとした…? さすがにそれはないでしょう、と思いつつも…。
この理屈っぽさはマンガゆえ?…
原作は成人男性向けのマンガだったんですね。映画.com くらいは読んで見に行きますので、マンガが原作ということは知っていたんですが、今やマンガ原作の日本映画を排除していたら見る日本映画がなくなってしまいます。最近は映画になれば原作がなんであれと思うようになり気にならなくなっています。
ただ、この映画はかなりマンガっぽいです。
どういうことかといいますと、見ていて疲れるんです。いろんなものを突っ込みすぎていて濃密すぎる(ちょっと違うけど…)んです。言い方を変えますと、全体として現実感が薄いということです。
あくまでも全体としてです。個別には現実にあることなんでしょうが、それをワンシーンごとに次から次へと繰り出し、さらにそれをそのまま見る側にぶつけてくるんです。
もう少し、書く側、そして作る側、あなたたちで整理してみたらと思います。
結局、見終えても何も残らないことになってしまいます(私だけか(笑)…)。実際、かなり理屈っぽい話ですので、細かいあれこれはすっかり忘れてしまっています。
男性性の本質は暴力性…
こういう話だったみたいです。
暴力的な男がいて、それを受け入れてしまう女がいて、その女は、男の暴力性を受け入れてしまうことこそが女性性そのものだと思い、人への思いというものを意識下に閉じ込めていたけれでも、ある時、自分自身の暴力性を恐れるひとりの男の存在を知り、次第に男も自分と同じ存在だと感じることができるようになり、それとともに、男の暴力性が弱さの裏返しであることに気づき、まさしく女性性の根源である肉体性を持って反撃にでたものの返り討ちにあってしまい、しかし、暴力的な男は思いもよらぬ反撃にパニックに陥り自滅していくのでした。
その女が原美鈴(奈緒)、暴力的な男が早藤雅巳(風間俊介)、そして自らの暴力性を恐れる男が新妻祐希(猪狩蒼弥)です。そして、もうひとり早藤と結婚し子どもを生む渕野美奈子(三吉彩花)がいます。
結局、男がいて女がいて希望(と言っていたかな…)が生まれるという、つまり新しい命が生まれるということと、美鈴と祐希の間に愛が生まれることで終えていました。
暴力を許容する女性性なんて存在しないよ…
奈緒さん、あまりよくなかったです。
おそらく、演出として、原作もそうかも知れませんが、男の暴力性を許容する女性性が女の側にあるとの前提で映画が作られているからだと思います。それを奈緒さんが無意識のうちに(かどうかはわからないけれど…)拒絶しているんだと思います。
いずれにしても成人向けのマンガはそうした思い込みを男性に植え付ける装置ということでしょう。
ところで「先生の白い嘘」ってなんなんでしょうね。マンガを読むとわかるんでしょうか。、2014年、結構昔の漫画なんですね。