邦題とはいえ、これは「子供の情景」ではなく、「大人の情景を演じる子供」、いやいや「大人の情景を演じさせられる子供」ってとこですね、などと突っ込みも入れたくなり、その意味では、原題の「ブッダは恥辱のあまり崩れ落ちた」の方が違和感なく見られるのではないでしょうか…
などと、かなり甘ったるい日本的価値観からすれば、とても穏やかな気持ちでは正視できない、子供にこんなことを演じさせていいものか、などといった、一見まっとうな考えも浮かび、思わず星ひとつなどと言ってしまいそうだが、
ここは大人の想像力で、イラン的、あるいはアフガン的言説に立ち返ってみれば、子供とはいえ、日本のような過剰な年長者の保護下にいるわけではなく、あるいは、この程度のこと、日常茶飯事かも知れず、
それにしても、バクタイ役のニクバクト・ノルーズの意志の強さ溢れる表情を見ると、これは彼女のもって生まれたものか,あるいは若干19歳のハナ・マフマルバフ監督の力量のなせる業かと思い巡らし、
とはいえ、やはり父親から学んだイラン映画伝統の象徴、隠喩、示唆といった映画的技法なのだろうと、それならば、これは若気の至りだよと、それでも甘さのない映画づくりに星二つです。
trailer Buddha collapsed out of shame بودا از شرم فرو ریخت فیلم سینمایی