プリシラよりもプリシラの見たエルヴィスを描きたかったようだ… ソフィア・コッポラ監督の映画は過去に4本見ていますが、その度毎に「理解できない」とか、「私には無理」とか、「良さがわからない」とか、勝手なことを書きながらもまた見てしまいました(笑)。プリシラ / 監督:ソフィア・コッポラあいかわらず淡白なソフィア・コッポラ監督...
昭顕ソヒョン世子謎の死に迫る… 初めてエンタメ系の韓国映画を見るような気がします。日本の公式サイトの「圧倒的、没入感」のコピーに引っかかってしまいました(笑)。梟 フクロウ / 監督:アン・テジン没入はちょっと無理ではないか…まあ人によりますが、この映画で没入は無理じゃないかと思います。おもしろくないという...
あるいは、ドラマ仕立てにしようとして原作のピュアさをそこなったか… 公開(2023.12.29)から少し日が経っていますが、「渇きと偽り」のロバート・コノリー監督ということが目につき見てみました。ただ、そのレビューを読み返してみましたら、いいことは何ひとつ書いていませんでした(ゴメン…)。だから見ようと思ったということです。ブルー...
熱さのない友情、これはアメリカ的価値観の根源的なもの描いているのかもしれない… ケリー・ライカート監督、多分初めて見ます。ウィキペディアには「アメリカのインディペンデント映画作家として最も高い評価を受ける一人とも評される」とあります。んー、確かに、見ているものが違う感じがする映画でした。言い方を変えれば、何を伝えようと思っているのかよくわからない映...
心の中の葛藤が画からにじみでる… もう2年前になりますが「君は永遠にそいつらより若い」を見て、吉野竜平監督の構成力がすごい! って思いましたので、アイドル云々の内容についていけるかなあ(笑)と心配しながらも見てみました。やはり吉野竜平監督、構成力もさることながら演出力もなかなかのものです。ファンファーレ / 監督:吉野竜平...
これは、子どもを求められる女性たちの悲劇か… 「アダプション/ある母と娘の記録」「ナイン・マンス」と見てきたメーサーロシュ・マールタ監督の特集上映ですが、もう一本見ることが出来ました(1週間ほど前ですが…)。若き頃のイザベル・ユペールさん(撮影時25、6歳…)が出演しています。ふたりの女、ひとつの宿命 / 監督:メーサーロシュ・マ...
ドキュメンタリー作家らしくない、あまりにもつくりもの臭い… ドキュメンタリー作家森達也監督の初めての劇映画、題材は1923年9月6日千葉県福田村、現在の野田市で起きた「福田村事件」です。福田村事件 / 監督:森達也福田村事件とは…こうした映画には珍しくメディアでもたくさん取り上げられていますので今さら事件について書...
異形のサーカス団対ナチスのバトルを描く空想冒険活劇 前作が日本のアニメ「鋼鉄ジーク」(原作:永井豪)をモチーフにしたダークヒーローもの「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」だったガブリエーレ・マイネッティ監督、その長編二作目は異形のサーカス団員とナチスの戦いを描いた空想冒険活劇です。面白かったです(笑)。異形のサーカス団...
役所広司さんじゃなければどうなっていたことやら… 役所広司主演、成島出監督、いながききよたか脚本という映画です。公式サイトには「現在、約280万人の外国人が暮らしている日本。その中のブラジル人に光を当てた本作は…」とありますが、本当に光は当たっていますか?ファミリア / 監督:成島出役所広司さん以外に見るべきものは…?...
ショーン・ペン父娘息子共演のファミリー映画 ショーン・ペン監督主演、そして実の娘のディラン・ペン主演、さらに息子のホッパー・ペン共演で、映画の中の関係もそのままというファミリー映画です。フラッグ・デイ 父を想う日 / 監督:ショーン・ペンでたらめな父親原作があります。ジェニファー・ヴォーゲルさんというジャーナリストの『...
同性愛に子どもの母親愛を対立させているように感じる 主演はアデル・エグザルコプロスさん、アブデラティフ・ケシシュ監督の「アデル、ブルーは熱い色」で共演のレア・セドゥさんとともに監督を含めた3人でカンヌのパルムドールを受賞した俳優さんです。もう10年近く前になります。監督のレア・ミシウスさんはこの映画が長編2作目で、脚本家でもありますので、私が見てい...
ウォン・カーウァイ プロデュースの青春センチメンタル系なのだが… 「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」のバズ・プーンピリヤ監督の2021年の映画、あのウォン・カーウァイさんが自らプロデューサーを買って出たんだそうです。ウォン・カーウァイさんはもう10年近く映画を撮っていませんので、その名を出せば宣伝効果も高いですし、内容が青春ものとくればなおさらです。...
日本じゃ安楽死も集団で…という近未来ディストピア 今年2022年のカンヌ映画祭「ある視点」部門でカメラドールのスペシャルメンションに選ばれた作品です。カメラドール受賞を争ったという意味でしょう。早川千絵監督の長編デビュー作で、2018年のオムニバス映画「十年 Ten Years Japan」の一編をあらためて長編として制作したものとのことです。その...
サスペンスタッチで描かれる高齢レズビアンの恋愛 2021年のセザール賞で新人監督賞受賞の映画です。監督のフィリッポ・メネゲッティさんは1980年生まれですので40歳くらいでの作品になります。公式サイトのプロフィールによりますと、主にイタリアで活動していたようですが2018年からフランスに拠点を移し、この「ふたつの部屋、ふたりの暮らし(DEUX)」が長編ビュ...
ファンタジーだが、新鮮な感覚を感じる 身体的性と性自認が一致している女性ユイとFtMトランスジェンダーの真也の10年にわたる恋愛を描いた映画です。いやあ、面白かったです。社会からの偏見や差別という視点ではなく、それこそユイと真也の「フタリノセカイ」に絞って描いていますのでとても新鮮な感じを受けました。フタリノセカイ / 監...
実話に基づくホロコーストの復讐計画「プランA」 ホロコーストサバイバーの復讐劇、事実に基づく物語ということです。「Nakam(ナカム)」というヘブライ語で復讐という意味を持つグループの存在や映画で描かれるニュルンベルクの水道に毒を流し込んで無差別にドイツ人を殺害しようとした「Plan A」という計画があったのは事実のようです。 映画では語られていませんが「Pla...
レイプリベンジ、ラブコメ、スリリングだが…#MeTooの消費かも 今年のアカデミー賞脚本賞を受賞しているんですね。そんなことも知らずに見ていました。それに作品賞、監督賞、主演女優賞、編集賞にもノミネートされていたようです。プロミシング・ヤング・ウーマン / 監督:エメラルド・フェネルプロミシング・ヤング・マンではなくウーマンネタバレあらすじとちょい...
俳優は豪華だが映画は作りものくさい ビレ・アウグスト監督の2014年の映画「サイレント・ハート」のリメイクとのこと、その映画は日本では2016年の「トーキョーノーザンライツフェスティバル」で上映されています。劇場未公開です。ブラックバード 家族が家族であるうちに / 監督:ロジャー・ミッシェルシチュエーション・ドラマ 俳優は豪華(だと思う)ネタバ...
アンソニー・ホプキンスさんアカデミー賞主演男優賞受賞! アンソニー・ホプキンスさんが、今年2021年のアカデミー賞主演男優賞を受賞しています。アカデミー賞自体にも受賞作品はできるだけ見ようと思う程度の興味しかなく、授賞式も見たことがないのですが、それでもネットニュースのタイトルに今年の授賞式に「異例」とか「予想外」などの言葉がついていたのは記憶しています。今、1、...
犬はパンツをはかない、この邦題なら興行収入倍増だったのに 面白い映画ですね。原題は「Hundar har inte byxor」で、Google翻訳ではスウェーデン語とでますがフィンランドの映画です。英語タイトルは「Dogs Don't Wear Pants」です。「犬はパンツをはかない」あなたは犬なんだからパンツを脱ぎなさい、というニュアンスなんですが、なぜ...