これが荒戸節なんですから、それを知りつつ見て、どうこう言ってはいけないのですが、相変わらず、カット毎の、いわゆる様式美と言うんでしょうか、その多くがシンメトリーを基本としているようですが、こだわってます。
でも、どうなのかなあ…、やや古い感じは否めないですね。それにこういう映像から、果たして太宰らしさは出てくるんでしょうか?
それにしても、「墜ちていくほど、美しい。」って、それを生田斗真くんに求めても、ちょっと無理だと思いますよ。そうそうたるメンバーに囲まれて、頑張ってるって評価もあるかも知れませんが、一体何が苦しいのかさっぱり伝わってきませんし、そもそも苦悩がある感じはしません。
次から次へと出てくる女性たちも、何とも中途半端で、彼の何に惹かれたかよく分からないまま、いきなり色気を振りまいたり、いきなり心中したり、何だがもったいないですね。このテンポでいくのなら、いっそのこと4時間くらいにして、じっくり描いた方がいいんじゃないかと思ってしまいます。
やっぱり、荒戸源次郎は監督業より、プロデューサーでしょう。