見つかったものは、大人のための勇気、そして友情?
劇場公開時、ケン・ローチ監督ゆえに興味は持っていたのですが、予告を幾度も見るにつけ、あまりのベタ(と思われたんですよ)さ加減に、結局見ずに終わってしまった映画です。
やはり、撮る人が撮ると違うんですね。うまいですね。結構引きつけられました。
まず、キャスティングがいいですね。本人役で出ているカントナはともかく、エリック役のスティーヴ・イヴェッツさんはとてもいい味出してます。人生にくたびれた感じはばっちりですし、かと言ってシリアスになりすぎず、ひょっとして奥が深いかもと思わせる部分もあったりして、なかなか魅力的な俳優さんです。
映画の展開としては、よくある夢に出てくる憧れのスター(エリック・カントナ)に後押しされて、主人公のエリックが自分を変えていこうと頑張ったりするわけですが、がんばり加減も度が過ぎず、たとえ勇気を振り絞って行動に出たりしても、当然スーパーマンのようにはいかず失敗したりと、そこらあたりのバランスがほどよいんですね。
ずっと労働者階級を撮り続けているケン・ローチ監督のまなざしの優しさでしょう。エリックの仲間たちの郵便局員たちもみな愛すべき人々です。イギリスの労働者階級の人たちが本当にああなのかは分かりませんが、ある意味うらやましいですね。
それにしても、サッカー、パブ、ビール、フィッシュ(じゃなくステーキでしたが)アンドチップス…、イギリスです。ビールはことのほかうまいです。
ところで、元妻リリーを演じているステファニー・ビショップさん、IMDbを見ても全く情報がないのですが、どういう俳優さんなんでしょう? 私には、ちょっとした表情とか、結構魅力的に見えたのですが…。