随分昔に読んだ…、何だっただろう? 吉本隆明の詩を思い出しました。
記憶を頼りに調べてみたら、
ぼくが真実を口にするとほとんど全世界を凍らせるだろうという妄想によって
ぼくは廃人であるそうだ
という一節が有名な「廃人の歌」でした。
多分、この映画だけではなく、カンヌでの発言や前作「ラース・フォン・トリアー監督、私にとって、出来がどうであれ許す監督のひとりなのです。ですから、批判でも何でもないのですが、考えてみれば、この憂鬱論議みたいなものは、たとえこの映画の通り、世界に邪悪なものが満ちていようと、あるいは憂鬱が人を押しつぶさんばかりに巨大になろうと、こんな世界は「無」となってしまえ!ってメランコリックに思い悩むのは、ちょっとばかり思い上がりってもんですよ、ラース、と言いたいですね(笑)。