桐島、部活やめるってよ/吉田大八監督

「ゴドーを待ちながら」を引用しての「桐島=キリスト」の不在による学園ドラマの不成立?

30分あたりでもう見るのやめようかと思ったのですが、最後まで頑張りました(笑)。

なぜ頑張ったかは、ガス・ヴァン・サント監督の「エレファント」で感じた「見るのやめようか」感と似かよっていたからです。もちろん、内容も結果も全く違っていたわけですが、多分、同じシーンを、たとえ視点(カメラ位置)が違っていても繰り返す手法がきらいなんですね。

で、この映画、随分評価が高いようですが、私にはこの映画の良さはよく分かりませんでした。

まあ、学園生活から遠く離れた年齢である以上、仮にこうした青春ものを興味を持って見るとするなら、当然ながら、過ぎ去りし青春の切なさやほろ苦さを刺激するようなものを好むわけです。

で、何が受けているのか、いろいろネットで読んでみたのですが、「ゴドーを待ちながら」を引用しての「桐島=キリスト」の不在による学園ドラマの不成立という視点で読み解いているものが多いですね。

なるほど…。

が、しかし、私は、この映画、結構青春じゃん、と思いました。もちろん、青春ドラマ=学園ドラマではありませんが、結構皆熱いですし、たとえ「島宇宙」にしろ、それぞれ島ごとは連帯していますし、スクールカーストという見方をするにしても、そうした位置づけで描こうとしているかも知れませんが、皆結構仲良しに見えますし、差別的に見てるようにはみえませんでした。

まあ、いずれにしても、皆年齢が行き過ぎています(笑)。あるいは、そうでなくとも、俳優であるがゆえにリアルな高校生には見えません。であるがゆえに、私には、これは立派な学園ドラマに見えるのです。