連休は、未見となっているDVDを少しでも消化しなくっちゃとがんばりました。
トゥモロー・ワールド
これは劇場で観ておくべきでした。
知りませんでしたが、「(疑似)長回し」が話題の映画だったんですね。ただ、観ている時は長回し自体はさほど印象的ではなかったです。冒頭の爆破テロシーンは、セオ・ファロン(クライヴ・オーウェン)が一度フレームアウトしてしまっているわけですから、仮に本当の長回しであったとしてもあまり意味はありませんし、車で移動中の襲撃シーンは、長回しよりも車の中で自由自在に動くカメラの方がはるかに印象的でした。
ただ、長回しであるかどうかよりも、とにかく計算されたカメラワークや映像処理は圧倒的です。さすがアルフォンソ・キュアロン監督という感じはします。
物語も暗示的で面白いですね。トゥモロー・ワールドなんて、いかにもつまらなさそうな(笑)SF風の邦題になっていますが、原題は、P・D・ジェイムズの原作通りの「Children of men」、人類の子供たちということになるのでしょうが、そのタイトルがらみで言えば、劇中に気になるシーンが2ヶ所ありました。
ひとつは、キー(クレア=ホープ・アシティー)の出産シーン、キーは自分が産んだ子供のことを迷いもなく「he」と呼びます。
キー:How is he?
セオ:It’s a girl.
もうひとつは、ラスト近くの戦闘シーンで、子供を奪おうとしているルーク(キウェテル・イジョフォー)がセオに、こちらも迷いもなく「him」と呼び、セオが「女の子だ」と答えると「女の子?」とキョトンとした顔をします。
ルーク:We need the baby. We need him!
セオ:It’s a girl.
ルーク:A girl?
ラストシーンは、ちょっとばかりダサイです(笑)。「ヒューマン・プロジェクト」という意味不明の団体(?)にキーと子供を託すため、セオとキーは船を待っているのですが、そこに本当にTOMORROW号がやってき(てしまい)ます。まあ得体の知れない団体ですから、本当に未来があるのかどうか、二人がどうなるのか分かりませんが、できるなら海の上で漂いながら待ち続けるカットで終えて欲しかったですね。さすがにハリウッドじゃ許されないでしょうが…。
インセプション
何をどうやっても辻褄の合うわけもないだろう話をこれだけの映画にするのはさすがハリウッドとしか言いようがありません。
ゲゲゲの女房
「楽隊のうさぎ」や「私は猫ストーカー」の鈴木卓爾監督なんですが、これはあまり良くないですね。
何なんでしょうね? 鈴木監督の持っているゆったりしたリズムが悪い方へ行っている感じがします。平板で単調です。NHKのドラマは見ていませんが、武良布枝(吹石一恵)、武良茂(宮藤官九郎)のキャスティングって、そっち系ならはまる感じがしますがどうなんでしょう? 二人ともに、もう少し動きのあるドラマを求めている印象です。