ローマの教室で〜我らの佳き日々〜/ジュゼッペ・ピッチョーニ監督

お勧め!3人の先生が出会う3人の生徒との3つの物語ともうひとつルーマニア移民の生徒の物語

ローマの教室で ~我らの佳き日々~ [DVD]

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同じイタリア映画、それも同じくローマを舞台にしているのですが、こちらは「グレート・ビューティー」とは正反対(といっていいでしょう)のとても良い映画でした(笑)。単に好みの問題ですのでツッコミなしで。


映画『ローマの教室で ~我らの佳き日々~ 』予告篇

先生も生徒も、皆まじめでいい人ばかりというのがちょっとばかり気にはなりますが、それぞれ個々人の出来事としては大きなことではあっても、ドラマとしては大したこともおきず、ちょっとした出来事が丁寧に描かれ(とらえられ)、人と人との関係が軸となって物語が進んでいきます。

ローマの公立高校。
校長をつとめるジュリアーナ(マルゲリータ・ブイ)は、「教師は学校内の教育だけすればいい」という考えの持ち主だ。二学期に入り、「生徒にやる気を起こさせる!」という若き熱血漢ジョヴァンニ(リッカルド・スカマルチョ)が国語の補助教員としてやってくる。ジョヴァンニとは逆に、教育への情熱を失い「生徒はみんな頭が空っぽ」と嘆く美術史の老教師フィオリート(ロベルト・エルリツカ)は、他の教員とも交流を持たずに孤立していた(公式サイト

と、ストーリーのさわりを引用しましたが、校長ジュリアーナはそんな割り切った考えを持っているわけではなく、管理職のつらさみたいなところは最初から最後まで変わらずありますし、ジョヴァンニも熱血漢なんて書かれますと、金八先生やGTO(どちらも見たことありませんので適当ですが…)など日本の学園ドラマをイメージされてしまいますが、全く違いますのでご注意ください。フィオリートも孤立というのは間違いではありませんが、我が道を行くそのもので、とても楽しい先生です。

といった3人の先生が出会う3人の生徒との3つの物語ともうひとつルーマニア移民の生徒の物語が、うまい具合に絡み合って進んでいきます。

ドラマというのは、ある意味、起承転結や序破急(三幕もの)といったモデルがあるように「答」を出すことによって生まれるという傾向を持っていますが、この映画、それぞれのエピソードにそうしたモデルが使われているとしても、全体としては、それでも人生は続くみたいなところがあります。こういう映画は好きですね。

名古屋での上映は終わるようですが、まだまだ各地を回るようですので、是非見ていただきたいと思います。
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