そんなには褒めないよ。映画評

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ピエロがお前を嘲笑う/バラン・ボー・オダー監督

実は共演がすごい!「コーヒーをめぐる冒険」に「4分間のピアニスト」

2015/09/14

もう少し期待して見に行ったのですが、思ったよりも単調で、オチも単純なものでした。と言っても、読めたということではなく、そもそも「トリック」やら「ラストのドンデン」で売ろうとして作られていないのかも知れません。

ほぼ全編ベンヤミンの告白で進行するわけですから、そりゃ最後にひっくり返ることくらい誰でも予想がつきます。

警察に出頭した天才ハッカー・ベンヤミン(トム・シリング)。世間を騒がせ殺人事件にまで関与を疑われ国際指名手配をされた。そのベンヤミンが自ら語りだした――
学校では苛められ冴えないベンヤミン。ピザ屋のバイトでも馬鹿にされ、想いを寄せているマリ(ハンナー・ヘルツシュプルンク)にもまともにアプローチもできない。そのマリのために試験問題をハッキングして手にいれようとしたベンヤミンだったが捕まってしまう。前歴がなかったため社会奉仕活動を命じられ、そこで野心家のマックス(エリアス・ムバレク)と知り合う。2人にはハッキングという共通の趣味が合った。マックスはベンヤミンの天才的な才能を見抜き、マックスの友人たちを交えて、破壊活動を行うハッカー集団“CLAY(クレイ)”を結成する。国内の管理システムを手当たり次第ハッキングを仕掛け、世間を混乱させ注目を集める。そしてクレイはライバルハッカー集団を挑発し、ついにはその正体を暴いてみせる。さらにドイツ連邦情報局へもハッキングを仕掛け、有頂天になっていたベンヤミンたちだったが、ベンヤミンの仕掛けた不用意なハッキングがきっかけで殺人事件が発生してしまう。ついにユーロポール(欧州刑事警察機構)の捜査が入り、ベンヤミンたち自身が危険にさらされることになり、自ら出頭することにしたのだった。
しかしベンヤミンの自供はつじつまが合わない。翻弄される捜査官たち。果たしてどこまでが真実なのか。彼の真の目的とは――。(公式サイト)

こうした映画の結末、たとえネタバレはしないにしても、あれやこれや書くことは憚れますが、まあ映画を見る前にこのブログを読んでいただける方がいるとも思えませんので、あえて言えば、伏線なしのこんなひっくり返し方、何でもありで意味ないです。

そもそもバラン・ボー・オダー監督は、そうしたことよりも、ベンヤミン(トム・シリング)という人物に焦点をあてて撮っているのかもしれません。

ベンヤミンとマリの関係を軸に物語を見てみれば、ありきたりではありますが、目立たない男の子が憧れの女の子に自分の方を振り向かせようと頑張るお話なわけで、そうやって見ればラストカットも、ああそうなのねと納得がいきます。

仲間の他の3人もハッカーなどというよりちょっとしたワルのグループという感じですし、ハッキングするために必ずその場に物理的に侵入するというのは、ある意味新鮮ではありますが、アナログの極みで、まあ正直、こうした映画に期待されるスタイリッシュさはありません。ハッキング映画(そんなジャンルはないか)にしては、映像も古臭い感じですし、電脳空間を視覚化した映像もかなりダサめです。

ということで、ハリウッドリメイク版に期待というところです。

で、ベンヤミンのトム・シリングさん、「コーヒーをめぐる冒険」のニコさんなんですね。全く気づきませんでした。

さらに、えっ!? マリのハンナー・ヘルツシュプルンクさん、「4分間のピアニスト」のジェニー! 

私の映画体験上は、すごい共演(気付きませんでしたが…涙)の映画でした。

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