セザンヌの「La lutte d'amour」に着想を得たとありますが、その静止画的なイメージから抜け出られていないようだ…
- 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
- 発売日: 2016/05/25
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ほぼ全編、サラ・フォレスティエとジェームス・ティエレのカラミです。カラミといっても、エロチックさはあまりなく、ほとんど取っ組み合い(?)といった方がいいでしょう。
なんだか、見ていても、こりゃ俳優たちはあざだらけだなあなんて心配が先走り、映画として楽しめません。
最初は、二人の取っ組み合いにダンスっぽさが感じられ、面白いじゃんとか見ていたんですが、さすがに同じパターンが幾度も繰り返されると眠気もやってきます。
まあ、愛が暴力的ということは分かりますが、なぜサラ(役名はないようです)があそこまで暴力的な関わりにこだわるのかよく分かりません。
・・・
その夜、彼女はふたたび男のもとを訪ねた。「私に会いたくないの? 理由を説明して。あなたと寝なかった罰?ひどいわ。赤の他人だから無視するわけ」亡き父や家族への苛立ちが、男への怒りとなって爆発する。彼女は男を挑発した。「あの夜の気分になるわ。でも寝ないわよ。用意はいい? 試してみましょうよ」彼女は、あの夜と同じように男を誘惑する。だが、それに応えようとした男を拒絶し、やがてそれは掴み合いとなった。「俺に何を期待してた? 殴り合いか?」男に彼女は答えた。「“愛の闘い”よ」(公式サイト)
ということらしいです。
結局、セザンヌの「La lutte d’amour」に着想を得たと公式サイトにありますが、その静止画的なイメージから抜け出られていないように思います。
延々格闘を繰り返し、結局セックスに行き着き、サラがジェームスに執着するという「愛」の結末は、正直いただけません。
こんなことを言うとひんしゅくを買いそうですが、「死=破壊」に至るまで「愛=暴力」を貫徹するのなら感動もしますが、行き着く先がせいぜい暴力的なセックスじゃ、ここまでやった俳優がかわいそうでしょう。
ジャック・ドワイヨン監督、これが初めてかも知れません。過去の作品を見てみようと思う程度には興味深い映画でした。
それにしても、「ラブバトル」ってなんやねん?