他国の話ではない、日本でもやっているでしょう。ノートのカメラは切りましょう。
スノーデン氏が NSA の盗聴などの諜報活動を告発したのは2013年、もう4年前になります。「シチズンフォー スノーデンの暴露」というドキュメンタリーもありました。
オリバー・ストーン監督は、この映画について「私個人の考えは作品に一切入れていない。すべてスノーデンが私に語った内容です。NSAからも話を聞こうとしたが、答えてもらえなかった。私の経験からいって彼の言っていることは真実だと思う。」とインタビューで語っています。
などと記事を書いていても、映画を見た後では、ついついカメラに目がいってしまいます。もちろん、私は随分前からカメラは切っていますが(笑)。
監督:オリバー・ストーン
2013年6月、イギリスのガーディアン紙が報じたスクープで、アメリカ政府が秘密裏に構築した国際的な監視プログラムの存在が暴露された。最高機密情報を提供したのはNSA(米国国家安全保障局)職員エドワード・スノーデン。なぜNSAやCIAから得られる多額の報酬と輝かしいキャリア、恋人と築き上げた幸せな人生のすべてを捨ててまで重大な告発を決意したのか。(公式サイト)
冒頭で引用したインタビュー(リンクはすぐに切れるでしょう)では、「スノーデンとは亡命先のモスクワで、この二年間に九回会って話を聞いた。彼の視点から語られる物語を映画にしようと思った」とも語っているとおり、映画は、いわゆるスパイ物の作りではなく、スノーデン(ジョセフ・ゴードン=レビット)という人物に焦点を合わせ、また恋人リンゼイ(シャイリーン・ウッドリー)との愛情物語でもあります。
ですので、緊迫感を煽ったり、過剰な演出を施したところもなく、集中して見られるいい映画でした。
それにしても、こうした話はなかなか実感がわきにくく、そりゃまあ、それくらいのことやってるでしょうで終わってしまいそうで怖いですね。IoT であらゆるものがネットに繋がれば、冷蔵庫やエアコンに監視される時代だってすぐそこまできています。
それに、これアメリカの話と済ましてしまう訳にはいかないです。
通信傍受法の範囲もどんどん拡大されていますし、共謀罪も多分強行採決される(なんて言っていてはいけないんですが…)でしょう。
と、この映画は、その内容よりも、これが事実であることからくる恐ろしさの方に話がいってしまうことが、あえていえば欠点なのかもしれません。
ただ、オリバー・ストーン監督は、そのことを悲しんだりすることはなく、それでいいのだと思っているのだと思います。
なお、インタビューでトランプさんについての質問からこうも語っています。
米国は今、帝国化している。日本は米国をそこまで信頼していいのか。米国はそれほど日本を大切に思っていないかもしれない。日本をどうするかはみなさんが考えることだ。
オリバー・ストーン監督の最近の映画では、昨年の暮に亡くなってしまったカストロさんを撮った映画で「コマンダンテ」というドキュメンタリーがありますが、あれ、良かったです。