そんなには褒めないよ。映画評

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ワンダーストラック

50年の時を超えたファンタジー、NYのジオラマは必見!

2018/04/13

「キャロル」のトッド・ヘインズ監督ですので見に行きましたが、ちょっとばかり大人には単純すぎますかね。文部科学省の推薦(?)のクレジットが入っていました。

原作者のブライアン・セルズニックさんは児童文学者なんですね。見ていないのですが、「ヒューゴの不思議な発明」の原作者でもあります。この映画では脚本も書いているようです。

「Wonderstruck」 wonder は「驚きの」で、struck は strike の過去形、へぇー、こんなふうに変化するんですね。「驚きの一撃」びっくりするようなすごいことといった意味なんでしょうか。

監督:トッド・ヘインズ

公式サイト

1927年と1977年のふたつの時代が同時に進行し、およそ交互に編集されて進んでいきます。1927年の物語は白黒のサイレント映画風、1977年はカラーで作られています。上に引用した画像も白黒とカラーになっていますね。

1977年、母とふたりで暮らしていた12歳のベン(オークス・フェグリー)は、母が交通事故で亡くなってしまい、それを機に父を探すためニューヨークへ向かいます。生前、母は「まだ早いから」と何も教えてくれませんでしたが、たまたま見つけた「ワンダーストラック」という本の中に、母あての「キンケイド書店で待つ ダニー」(だったかな?)との父らしき名前の入ったメモを見つけたのです。ニューヨークについたベンは、なんとかキンケイド書店を見つけますが、あいにく移転してしまっています。しかし、ベンは何かに導かれるように自然史博物館へ導かれていきます。

1927年、聴覚に障害を持つローズ(ミリセント・シモンズ)は、サイレント映画スター、リリアン・メイヒュー(ジュリアン・ムーア)にあこがれ、家出をしてニューヨークに会いに行きます。ニューヨークには、兄ウォルターが自然史博物館で働いています。

といった感じで、自然史博物館で、もちろん時代が違いますのでふたりが出会うわけではありませんが、いろいろ物語が絡み合いながら、最後にふたりの関係が明らかになるという映画です。

この映画で特徴的なことは、ローズが聴覚障害を持っていることとともに、ベンも、電話をしようと受話器を持っている時に落雷にあい耳が聞こえなくなったという設定にし、相手の音声が聞こえない、また話すことができないという、映画的にはかなり表現方法が限定されてしまうことにあえて挑戦していることです。

1927年のシーンにサイレント映画の手法に使っていることもそうですが、当然、手話や筆記に頼ることになるわけですので、それに対する映画的な不足を音楽で補ったり、編集をうまく使ったりしています。

正直、わかりづらいところもありますし、展開がややかったるく感じますが、クライマックスとなるラストシーンでそれらの不足分は全て吹っ飛んでしまいます。

Panorama of the City of New York | Queens Museum

ところで、ローズを演じているミリセント・シモンズさん(ちゃん)は聴覚障害を持っていることのことですが将来性ありますね。表現力豊かですし、ショートカットにした後は特に可愛いです。

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