300歳の恋バナ映画
年をとっても恋をすれば人生楽しいよ、という映画です。
ただし、この俳優集めてこの映画か…と悲しくなったりもします(涙)。
見どころは豪華俳優陣(だけ?)
何といってもこの映画の見どころは、ダイアン・キートン、ジェーン・フォンダ、キャンディス・バーゲン、メアリー・スティーンバージェンの共演ということでしょう。
全員がアカデミー賞やゴールデングローブ賞の受賞歴があります。まあこの年齢で現在でも第一線で活躍している俳優さんたちなんですから何らかの受賞は当たり前ですね。
現在の年齢を調べてみました。ダイアン・キートンさん74歳、ジェーン・フォンダさん82歳、キャンディス・バーゲンさん74歳、メアリー・スティーンバージェンさん67歳、全員の年齢を足しますと約300歳です。足さなくてもいいんですけどね(笑)。
恋愛ものですからそれぞれに男性俳優がパートナーとなっています。アンディ・ガルシアさん以外はよく知らないのですが、クレイグ・T・ネルソン、ドン・ジョンソン、リチャード・ドレイファスとなっています。
物語は老齢に達した女性たちの恋バナとセックス話です。大人の鑑賞に耐えられるかどうかは…人それぞれでしょう(笑)。
ネタバレあらすじとちょいツッコミ
ダイアン(ダイアン・キートン)、ビビアン(ジェーン・フォンダ)、シャロン(キャンディス・バーゲン)、キャロル(メアリー・スティーンバージェン)の4人は定期的にブッククラブを開いています。
原題も「Book Club」であり、ブッククラブって読書会のことかと思いましたが正確には違うようです。ウィキペディアによれば会員制の本の頒布会みたいなもので、おそらく会員の間では読書会が行われるのでしょう。
映画の4人もブッククラブの会員ということかも知れません。ただほとんど本の話題はありませんので、ブッククラブは単に「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」という官能小説に話題をもっていくためのきっかけに利用されているだけです。とにかく、その内容に刺激されて恋バナに花が咲き、それぞれ実際に恋愛が進行するという話です。
4人の実際の恋愛話が同時進行していき、集まってはそれをネタに盛り上がるという映画です。
ダイアン(ダイアン・キートン)
ダイアンは夫を亡くしてひとり暮らしです。離れて暮らす娘二人からは、もう高齢なんだからひとりじゃ危ないし面倒みるから一緒に暮らそうと言われています。しかしダイアンにはその気はありません。
(理由は忘れましたが)その娘たちを訪ねる飛行機です。たまたま出会った隣席のミッチェル(アンディ・ガルシア)と楽しく会話をして過ごします。そして帰りの飛行機、そのミッチェルはパイロットであると知らされ、ナンパされます(笑)。
航空業界がどういうものかわかりませんが、パイロットが一般乗客と一緒に、それもエコノミーに乗るってことはあるのでしょうか、というのはツッコミどころではありません(笑)。だって、ナンパの仕方が、CAにアナウンスでダイアンを呼び出させて住所や電話番号を聞き出すという方法なんですから、一切ツッコミ無用を宣言しているみたいなものです。それにそれをやっているのがアンディ・ガルシアさんとなれば何の違和感もありません(笑)。
ダイアンとミッチェルはデートをします。互いに思い出話をするなど打ち解けていきます。そして、再びダイアンが娘たちを訪ねた日、ミッチェルから会いたいと電話が入り、ダイアンは急用が出来たと娘たちを騙してミッチェルの豪邸に向かいます。
その後、娘たちが電話をするもつながらず警察に相談し、GPSから居場所を特定しミッチェルの豪邸に向かいますと、二人はプールで戯れています。
恥ずかしさのあまりダイアンの気持ちは一気にしぼみます。
その後、一旦は娘たちのもとに移ることを決心したダイアンですが、ある時、私の人生は私が決めると宣言してミッチェルのもとに向かいます。二人は熱い抱擁を交わします。
ビビアン(ジェーン・フォンダ)
ビビアンはホテルを所有する実業家として金銭的成功をおさめています。ある時、若い頃つきあっていた(初めてのセックスの相手だったかな?)アーサー(ドン・ジョンソン)とばったり出会います。アーサーは過去に求婚したことがあります。
アーサーは再会を機に再びビビアンにアプローチします。しかし、ビビアンは結婚すればいずれ離婚して財産を失うだけだと、真剣な恋愛は避けています。
二人は幾度かデートを重ね、そしてアーサーがプロポーズをします。しかしビビアンは断ります。その話を聞いた3人はビビアンを後押ししアーサーの後を追わせます。
ビビアンはニューヨークへ帰るアーサーを空港まで追いかけますが渋滞で間に合わずホテルに戻ります。と、そこにはアーサーがいます。二人は熱いキスをします。
シャロン(キャンディス・バーゲン)
シャロンは連邦判事です。ただし、公判中に元夫だったか息子だったか(親族って言っていたかな?)から電話が入ったと知らされ休廷にしてしまったり、出会い系サイトに夢中になって公判を延期にしたりするという判事ですので、まったく持ってマジな話ではありません(笑)。
しかし、こういう設定がアメリカじゃ受けるんですかね…。
シャロンは夫とは離婚してひとり住まいです。また4人の中では見た目控えめな設定になっており他の3人の恋バナからもやや引いた人物になっています。しかし、読書会の影響もあり、またネットで夫が年の離れた女性と婚約したことを知ったことからなのか、出会い系サイトに登録します。
次々に飛び込んでくるメッセージに興奮気味のシャロンはそのうちのひとりジョージ(リチャード・ドレイファス)とデートをし、帰り際名残惜しそうなジョージにシャロンの方から濃厚なキスをし、そのまま車の中へ。(って、あれはカーセックスという意味だったんでしょうか?)
また別の相手とのデートの日、偶然夫とその婚約者に出会い、恥ずかしさから(プライドでしょう)家に戻るや出会い系サイトのアカウントを停止してしまいます。
後日、元夫と息子の合同の婚約披露パーティーに出掛け、居場所なく壁の花のシャロンですが、それでも自らスピーチをし、最初はやや嫌味も入っていましたが最後は二人を祝福します。
そして、家に戻るや、再び出会い系サイトのアカウントを再開します。
キャロル(メアリー・スティーンバージェン)
キャロルは夫ブルース(クレイグ・T・ネルソン)との夫婦関係に不満をもっています。ブルースはすでに仕事も引退しているようで、キャロルへの愛情表現もなく夫婦の間は冷めきっています。
キャロルはダンス大会に出ることを口実にブルースをダンス教室に誘います。ブルースは乗り気ではありませんが、それでもキャロルに従います。
この映画、4人の間の話には下ネタが多いのですが、特にキャロルの場合は夫婦であることからなんでしょうが、あからさまにセックスの問題として描かれます。
ダンス教室でのレッスンもうまくいきませんし、キャロルが超ミニスカートをはいて迫るもブルースは反応せずで、業を煮やしたキャロルは外に食事に出た際に飲み物にバイアグラを入れます。
帰りの車の中、ブルースは思わぬ自分の男性器の反応に苛立ちキャロルと言い争いになります。警官に停止を求められるもブルースは恥ずかしくて出られません。正直に話すことで許されますが恥ずかしさから怒りは倍増します。
ダンス大会の日、キャロルは仕方なくひとりで踊っています。曲の途中、ブルースがダンス衣装を着て現れ、二人は笑顔で見つめ合いながら踊ります。そして、熱いキスを交わし、急いで家に帰っていきます。
下ネタ多しのアメリカドラマ
こういう映画を見ていますと、セックスの話題を「下ネタ」と特別視するような言葉を使う方に問題があるのではと思ってしまうくらい下ネタが多いです(笑)。
それ自体にどうこうとは思いませんが、この映画はバランスが悪いです。読書会と言いながら本の話などほとんどしていません。もう少し4人の会話の中に人生そのものが反映されないと見ていてもつまらないですし映画が浅くなります。
監督のビル・ホルダーマンさんは脚本も書いているようですが、そんなに高齢者が枯れているように見えるんでしょうか。
現在、43、4歳の方で、この映画が初監督作品、ロバート・レッドフォードさんのワイルドウッド・エンタープライズに14年間所属していたとありますので今はもう辞めているということでしょう。プロデューサーとして「さらば愛しきアウトロー」にクレジットされています。
映画としてどうこうという映画ではありませんが、少なくとも4人の俳優が(一見)楽しそうにやっているように見えるのでよかったのではないでしょうか。