髙石あかりさんにつきます…
「ベイビーわるきゅーれ」の流れの映画です。シリーズのアクション監督だった園村健介さんが監督、監督だった阪元裕吾さんが脚本、そして主演は髙石あかり(高石あかり)さんです。

髙石あかりさんにつきる…
私は「ベイビーわるきゅーれ2ベイビー」しか見ていないのですが、そのレビューに、
アクション監督は園村健介さんという方です。言っちゃなんですが、この映画、監督という意味では園村健介さんの映画みたいなものです。
とか、
この会話シーンを引っ張っているのがちさとを演じている高石あかりさん、この俳優さん、いいですね。まだ20歳ですか…。思い切りがいいですし、なにか人を引き付けるものがあります。シリアス系の映画の主役級で見てみたい気がします。
などと書いていますので、こうしたセッティングの映画も当然考えられますよねという映画です。
で、見てみましたらおもしろかったです。髙石あかりさんがとてもいいです。
とにかくいいです(笑)。それにつきます。
「ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー」でも書いているように、こうした映画にドラマとしてなにか書くようなことはありません。殺し屋が組織の抗争で殺されて成仏できずに女子大学生に乗り移ってその組織をぶっ潰すという話です。何かを語るような話でもありませんし、ツッコミを入れるようなものでもありません。
それでも100分間、目を話さず見られます。
くどいようですが髙石あかりさんです。もちろんそれを活かす幽霊殺し屋役の三元雅芸との掛け合いや三元さんのアクション、そして園村健介監督の演出ということもありますが、逆に言えば髙石あかりさんの俳優力がそれを引き出しているとも言えます。
ベタ褒めですね(笑)。
アクションシーンも見応えあり…
殺し屋工藤(三元雅芸)と何者かたちとの格闘シーンで始まり、工藤が後ろから撃たれて死にます。その銃弾の薬莢が下に落ち、その後カラカラと転がり長い旅(笑)に出ます。巡り巡ってその薬莢を松岡ふみか(髙石あかり)が手にします。
そのせいということでしょう、ふみかには工藤の幽霊が見えるようになります。こういうところの説明など一切なく、見えるものは見えるという展開が無茶苦茶小気味いいです。このセンスで最後まで突っ走る映画です。
ふみかの親友でDV男に貢がされている飯田マホ(東野絢香)がいます。このDV男をやっつけるという展開で、幽霊殺し屋工藤がふみかに乗り移り、ふみかが殺し屋としての格闘技術や銃撃テクニックを発揮することになることを何のツッコミも入れさせない(笑)軽快なテンポで見せていきます。
こうした映画の王道じゃないかとは思いますが、うまいもんです。
後は物語を進めるだけです。ふみかは就活中でメディア志望なのか、典型的なそれ風の男二人と飲むことになり薬を盛られそうになるも、工藤の力を得てその二人とグルになっている男たちを半殺しにします。
後始末に困った工藤は殺し屋の後輩である影原利久(黒羽麻璃央)を呼ぶように指示します。影原は工藤が死んでいることを知っているのですが工藤が乗り移ったふみかとの格闘でそういうこともあるのだろうと受け入れ、男たちの後始末を引き受けます。
そして本題、殺し屋組織の抗争話です。工藤と影原は殺し屋として恩義ある人(多分…)のもとで働いていたのですがその人が亡くなり、息子が後を継ぐことになり、その息子があまりに阿漕であるため工藤が裏切り、それが為に工藤は殺されたということです。
工藤を殺したのは影原です。裏の世界ですからそんなことに恨みは生まれません(そうか(笑)…)。とにかくそんなこんながあり、ふみか&工藤と影原対殺し屋組織の大アクションシーンとなります。
アクションものをほとんど見ませんのでトレンドがどういうものかはわかりませんが、派手なワイヤーアクションなどは使っておらずただひたすら肉弾戦と銃撃戦で構成されているのではないかと思います。
やや飽きるところもありますが迫力はあります。結構いいんじゃないかと思います。アクションシーンを言葉にすることはできませんので見てみてください。
そして殺し屋組織は壊滅します。復讐を果たした幽霊殺し屋工藤は消えていきます。
ふみかは親友マホと何もなかったように日常に戻っています。
再び髙石あかりさん…
ふみかには幽霊工藤が見えますが他の人には見えません。ふみかと工藤は会話をします。ふみかは実際に言葉を発しています。たとえばマホと一緒のときにはふみかはマホと話しながら幽霊工藤とも声を出して話しますのでマホにはふみかの独り言に見えるという演技になります。
また、工藤が乗り移ったときにはふみかは自分の中に入った工藤と会話することになり、一人二役で演技することになります。
このキレのいい演技といったらありません。これは誰でもできることではありません。うまいです。
実は「ベイビーわるきゅーれ2ベイビー」を見たその1週間後に「Single8」という70年代の青春ものを見ており、その映画で髙石あかりさんはマドンナ役として出演していたのですがあまりしっくりきておらず、どうなのかなあと思い始めていたのですがこの映画でそのその俳優力がよくわかりました。
おそらくまだその役によるということだとは思います。現在22歳、朝ドラの主演の予定もあるようです。どう成長していくのか楽しみな俳優さんです。