神は銃弾

神は冗談、カルトはギャング…

公式サイトや映画.com の「このミステリーがすごい!2002年版海外編で第1位を獲得したボストン・テランのベストセラー『神は銃弾』の映画化」との宣伝コピーにつられて、ではなく、むしろ「神は銃弾」のタイトルやカルト集団の話という方に興味をひかれて見た映画なんですが…。

神は銃弾 / 監督:ニック・カサヴェテス

神は冗談…

えー?! 全然「神」なんて関係ないし、「カルト」でもなく単なる暴力集団じゃないですか!

という映画でした(笑)。

どういうことなんでしょうね。釣りタイトルというわけではなく、原題も「God Is a Bullet」ですし、原作に関する記事をちらっと読んだところではその集団は悪魔崇拝のカルトとなっています。でも、映画ではその気配は全くありません。逆十字のタトゥーを入れていたり、床に六芒星が書かれた儀式の場のような部屋があったりしますが、そうした魔術的な雰囲気は全くなく単なる麻薬密売のギャング集団です。

それに言っちゃんですが映画づくりが下手くそです(ゴメン…)。唐突によくわからない夫婦の陰謀話が入ったりして話自体がわかりにくいですし、映画としてのリズムがありません。

ニック・カサベテス監督、見てはいませんが「きみに読む物語」なんてよく目にするタイトルなのに不思議ですね。シナリオもカサベテス監督本人になっていますので納得してのこの映画ということになります。

唯一の収穫はマイカ・モンローさんでした。カッコよかったです。それ以上のことは何もないんですけどね(笑)。初めて見るわけではないようで「グレタ」に名前があります。でも記憶がありません(ゴメン…)。

神に銃弾公式サイト

あのとき、チョコレートケーキを食べてたんかい?

カルト集団は単なるギャング集団…

元妻とその夫が殺され、娘が誘拐された保安官(だと思う…)ボブ(ニコライ・コスター=ワルドー)が娘を助け出そうとする話です。

誘拐したのは「左手の小径 Left-Handed Path」というカルト、ではなくギャング集団(くどい…)です。といいますか、ボブはどういう経緯でそれを知ったんでしたっけ? 見落としているのかもしれませんが、そうしたはっきりしないことが多い映画です。

とにかく、その集団から抜けてきたというケース・ハーディン(マイカ・モンロー)という女性とともにその集団を追うことになります。

映画冒頭、ひとりの少女が誘拐されるシーンがあり、多分その少女の12年後が現在のケースということだと思います。ですので、多分ケースはボブの協力要請に応じたということよりも、ストックホルム・シンドロームなんだろうと思います。後半、かすかにそうしたところが見受けられますがこれもはっきりしていません。

原作を知りませんのでどうこう言うのもなんですが、こういう心理的なところを重要視しない映画はつまらないです。実際この映画からは、この集団がなぜ少女を誘拐するのかその理由が見えてきません。

きりがないのでこうした話は以上です(笑)。

You’re crossing over.

クリスマスの日、ボブの元妻夫婦が惨殺され、ボブの娘ギャビが誘拐されます。

ボブは保安官(上司からお前は事務職だからと言われていましたので警察ではなく保安官でしょう…)の職を離れて娘を探し出す決心をします。ケースに協力を頼みますが、PTSDに苦しんでいるケースは一旦は断ります。しかし、その後思い直して受け入れます。

まずはボブにタトゥーを入れます(なんで?…)。そしてカルト集団の追跡がダラダラと続きます。

カルト集団の親玉はサイラス(カール・グルスマン)です。サイラスには過去に利権絡み(土地かな…)の何かがあるようでその経緯が後半に入るのですがよくわかりません。裕福な夫婦がいて、ボブの上司の保安官も絡んで、サイラスがいきなり老婆の頭を撃ち抜き、死んだその手をとって自らサインをし、血で拇印を押させるシーンが入っていました。さらにラストシーンではその老婆の若い頃のシーンがあり、幼い子ども(多分サイラス…)と微笑み合っていました。

で、あれこれあり、麻薬取引も絡み、よくわからないままに娘のギャビを救出し、ボブとケース対カルト的ギャング集団の最後の派手な銃撃戦があり、ギャング集団はサイラスを残して全滅、例によってボブとケースも普通死んでいるだろうという状態から息を吹き返します。

後日、この地を去るというケースにボブはここにいてほしいと望みますが、互いに見つめ合ったままケースは去っていきます。

掘っ立て小屋に立てこもりサイラスを見張るケース、サイラスがやってきます。小便をするサイラスにショットガンを手にしたケースが近づきます。

場所をかえ、ケースはサイラスをソファに座らせます。

お前は俺の女だと平然としたサイラス、
私はお前の羊ではない、私は自由だと返すケース、
お前はその一発の銃弾で自分が取り戻せると思うのかとあくまでも強気のサイラス、
お前はもう死んでいると言い、サイラスを撃ち抜くケース、
お前の心と一緒になと吹っ飛んでいくサイラス。

後日、ボブの前に現れるケース、そして二人は熱く抱擁しました、とさ。