吉高由里子さんに感動する… 2年前に NHK BS で放映されたドラマの劇場版だそうです。時代もの(大正時代ですが…)のテレビドラマはきれい過ぎて現実感がありませんのでどうしようかと思ったのですが、伊藤野枝の話ですので見ておくべきか…という映画です。風よ あらしよ 劇場版 / 演出:柳川強吉高由里子さんに感動する…...
モノクロ映像? 東松照明? 長崎? 沖縄? セクシュアリティ? 何を描きたいのでしょう… 監督作品としては「パラダイス・ネクスト」「雨にゆれる女」と見てきている半野喜弘監督です。音楽としてはジャ・ジャンクー監督やホウ・シャオシェン監督、日本ですと行定勲監督などの映画で名前をよく見る方です。彼方の閃光 / 監督:半野喜弘映像...
引退宣言を翻しての復帰はロシアによるウクライナ侵略がきっかけでしょうか… 2017年の「希望のかなた」以降見ていないなあと思っていたアキ・カウリスマキ監督、引退宣言をしていたんですね。それを翻しての新作、何を思ってのことでしょう。枯れ葉 / 監督:アキ・カウリスマキロシアによるウクライナ侵略かな…多分、ロシアによる...
タクシードライバー系? カジノもの? いやいやピュア・ラブストーリーでした いまだに「タクシードライバー」や「ポール・シュレイダー × マーティン・スコセッシ」で売らなくちゃいけないというのはどうなんだろう、などと思いながら見に行きましたら…いやいや、結構面白かったですし、びっくりしました(笑)。カード・カウンター / 監...
河林満さんの原作のラストを知れば思わずAmazonでポチッ… 原作者の河林満さんも監督の高橋正弥さんも初めて目にする名前です。河林満さんは2008年に57歳で亡くなられているようです。いま河林満さんのウィキペディアを読んでいましたら、ラストシーン、ああやっぱりねということが書かれています。渇水 / 監督:高橋正弥原作は河林満...
幸せは誰もがそう思えるものではなく、自分自身が幸せと思えればそれでいいのだが… つい数日前にカンヌ国際映画祭で脚本の坂元裕二さんが脚本賞を受賞しており、話題性の上でもとてもタイミングのいい公開です。それにしても是枝裕和監督はカンヌに出品する映画はすべて何らかの賞を受賞しています。「ベイビー・ブローカー」「万引き家族」などなど、と思い調べてみましたらそうでも...
原作をなぞっているように感じられ、映画としての力が感じられない… 2017年にイタリアの文学賞ストレーガ賞を受賞しているパオロ コニェッティ著『帰れない山(Le otto montagne)』が原作の映画です。原題の意味は「8つの山」です。映画のなかでその意味が語られます。監督、脚本はフェリックス・ヴァン・ヒュルーニンゲンとシャルロッテ・ファンデル...
日本の多くの同世代に見られることを望むのだが… フィンランドの青春映画です。フィンランドの映画は結構見ていますが思い返してみますとかなり多彩です。どの国にもいろんな映画があるという当然といえば当然のことなんですが、つい最近の「コンパートメントNo.6」、これは大人の映画でオススメです。フィンランドの国民的画家ヘレン・シャルフベックを描いた「魂のまなざし」...
DVD 一年ほど前に「麻希のいる世界」という同じく塩田明彦監督の映画を見てその手法に興味がわき、正月休みに旧作の「害虫」を見てみました。宮崎あおいさんと蒼井優さんの映画です。二人は同い年なんですね。20年前の映画ですので若い! 撮影当時は15、6歳ということだと思います。害虫 / 監督:塩田明彦画が説明的「麻希のいる世...
ひりひりする渇きも足りず、偽りの後ろめたさも描かれず 俳優のエリック・バナさんがベストセラー小説のジェイン・ハーパー著『渇きと偽り』にほれ込み、主演とともにプロデューサーも買ってで出たというオーストラリア映画です。渇きと偽り / 監督:ロバート・コノリー原作を想像してみると…この映画を見て原作の『The Dry(渇...
評価・表裏のない人たちのいい人ファンタジー 荻上直子監督です。「かもめ食堂」と「彼らが本気で編むときは、」の2本を見ているだけですが、いい人ファンタジーをうまく撮る監督の印象です。川っぺりムコリッタ / 監督:荻上直子荻上直子監督自身の小説を原作としています。隣人ファンタジーこの映画、全体を通して「死」とい...
構成、編集(モンタージュ)、撮影、音楽が一体となった新しい感覚の映画 プレスリリースのストーリーには「家出をした女性の物語、のようだ」の一行しか書かれておらず、また、マチュー・アマルリック監督自身が「彼女に実際には何が起きたのか、この映画見る前の方々には明らかにはなさらないでください」と語っていると宣伝されている映画です。彼女のい...
1970年から半世紀、女性解放は遅々として進まず、特に日本では… 1970年前後は第二波フェミニズムの時代であり、日本でもウーマン・リブ(Women's Liberation Movement)と呼ばれた女性解放運動が大きなムーブメントとなっていました。そうした時代の1970年、イギリスで行われたミス・ワールド世界大会の会場で女性解放を訴えようと抗...
岸井ゆきの、ムロツヨシ2人の豹変力(?)俳優力が光る ????田恵輔(吉田恵輔)監督、振り返ってみれば「ヒメアノ~ル」からすべて見ています。「犬猿」「愛しのアイリーン」「BLUE/ブルー」「告白」、好みとして合うわけではないのですが、うまいなあと思うところが多い監督です。よかったのは「犬猿」と「BLUE/ブルー」です。神は見返りを...
1924年のジェーンが現代女性のように描かれている イギリスの文学賞ブッカー賞を受賞している作家グレアム・スウィフトさんの『マザリング・サンデー』の映画化です。受賞している作品はこれではなく『ラスト・オーダー』です。今年2022年のブッカー賞には川上未映子さんの『へヴン』が最終候補作に残っていたんですが受賞は逃しています。日本人の受賞はまだひとりも...
マイク・ミルズ、ホアキン・フェニックス、ウッディ・ノーマン マイク・ミルズ監督はプライベートなところから創作意欲がわく監督のようです。前作の「20センチュリー・ウーマン」では自身の母親、「人生はビギナーズ」では父親、そしてこの「カモン カモン」では自身の子育てをテーマに映画を撮っています。カモン カモン / 監督:マイク・ミルズ...
超スローモーションのアクションシーンが唯一の見せ場 映画を見る際の選択肢のひとつにいろんな国の映画を見たいということがあります。残念がら最近はその希望もなかなか叶わなくなってきており、そろそろ配信ということも考えなくてはいけないかと思い始めているところなんですが、この「ガンパウダー・ミルクシェイク」は、ナボット・パプシャド監督がイスラエルの方であり、前作の...
建物にしみ込んだ記憶への詩的な鎮魂ファンタジー ユーリイ・ガガーリン人類で初めて宇宙へ行ったソ連の宇宙飛行士であり軍人です。1961年のことです。この映画はその伝記ものでも何でもありません。パリ南東に隣接するイヴリー=シュル=セーヌというコミューン(地方自治体のこと)にある(あった)「ガガーリン団地(CitéGagarine)」と名付けられた共同住...
青春旅立ち映画としてはかなり保守的 音楽映画&青春旅立ち映画という感じです。パキスタンをルーツとするイギリス人のサルフラズ・マンズールの回顧録(自伝?)を原作としており、脚本にも本人が参加しています。ブルース・スプリングスティーンの曲によって人生を一歩踏み出したという映画ですのでブルース・スプリングスティーンの曲がふんだんに使われています。...
男たちよ、うるさいぞ! SFはあまり見ないのですが、以前見た同じくダグ・リーマン監督の「オール・ユー・ニード・イズ・キル」には妙によかったとの印象が残っており、その名が目に入りましたので、ちょっと不安ながらも(笑)見てみましら…いや、面白かったですよ。カオス・ウォーキング / 監督:ダグ・リーマン意表を突く始まり方男性社会と共生社会ノイズネ...