生きるってことは自分で自分の物語を生み出すってことよ…
これ、わけがわかんなくておもしろいわ(笑)。わかりやすい映画が多い中にあって貴重だと思います。退屈するところもありますが、マジでおもしろいです。

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ネタバレあらすじ
みんな、あし、くずしてな…
ストーリーというようなストーリーはありません。
生きてる実感を持てない者たちが、お前は俺の脳内存在だ、いや、お前こそ俺の物語の登場人物だと、場所を変え、時を超えて言い争い、今の言葉で言えばマウントを取ろうとする話です(かな…笑)。
狼介(窪塚洋介)は山伏です。山中で修行しています。公式サイトには「阿闍梨(千原ジュニア)の家で行方不明」になったとありますが、冒頭の狼介のシーンは山中の滝の下で終わっていました。
阿闍梨が信者を前にして祈祷を行っています。祈祷が終わり、お茶会(かな…)になり、阿闍梨が「みんな、あし、くずしてな」と千原ジュニアさんが素の関西弁で言います。
多分、これ、ボケだと思いますが、祈祷のシーンの千原ジュニアさんが結構ハマっていましたのでいきなり過ぎて笑えません(笑)。この映画、ボケ台詞が多いんです。映画中程までいきますとそれがわかってきますので結構笑えます。
この祈祷には、これも公式サイトによりますと「新野風(松田龍平)は、狼介の彼女・野々花(芋生 悠)から捜索を依頼」されて参加しています。他にも阿闍梨とマウントを取り合う同業者の鉄平(渋川清彦)や指を切り落とされるヤス(東出昌大)が登場しますが映画的にはおまけです(ゴメン…)。
阿闍梨がヤスに「自分の物語を作り出さなきゃあかんよ」と言っていたのはこの映画のひとつのメッセージだとは思います。こうやって時々断片的に映画のメッセージが入ります。
出だしはこの阿闍梨が映画的にも重要な人物のように始まりますが、実際はそうじゃありません。
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法螺貝と幽体離脱…
狼介と風です。阿闍梨はその狼介と風を会わせるための媒介役ですね。それにしてもキャラが濃いー(笑)。
ということで、これ以降は阿闍梨を介して狼介と風が対峙する終盤にかけてあれこれあるのですが、あまり辻褄などあっておらず、わりと思いつきで(ゴメン…)狼介が幽体離脱して、でも宇宙服は着ていましたけれども、とにかく北斗七星から北極星に向けて飛び立ち、十六次元鏡(適当に言ってみた…)の部屋のようなところを散歩しながらさらなる修行に励みます。
この十六次元鏡のシーンは、映像的にもありきたりで退屈です。それに長いです。
一方、風の方は野々花が自殺する現場に立ち会ったり、また蘇った野々花から、私は5年前に死んでいるの(違ったかも…)とか、輪廻転生の話を聞かされたりしながら、狼介と対峙できるように「とくこう」(ポケモンなどやったこともありませんがなんとなくググっていたら出てきましたので使っただけ…)を上げていきます。
幽体離脱した狼介の肉体を研究調査している博士(板尾創路)と助手(祷キララ)が登場します。この二人も賑わせキャラで、博士がしきりにボケるのですが助手が受け手になっていませんのでかなり中途半端な二人です。
とにかく、狼介の肉体が理解不能なデータを表示したために博士は阿闍梨を呼びます。阿闍梨は法螺貝をふきます。阿闍梨が狼介と風を結びつけると書きましたが、むしろ重要なのは法螺貝かもしれません。法螺貝が次元を超えて十六次元鏡の部屋に行っていた狼介を呼び戻したんですね、きっと…。
その後、風が十六次元鏡の部屋に行くシーンもあり、その時にも法螺貝が使われていたようなないような、そんなこんなで狼介と風が次元を超えたりしながら、最後は現実的な滝の前で対峙し、お前は俺の脳内存在だ、いや、お前こそ俺の物語の登場人物だと言いあって終わります。
そんな感じで終わっていたんじゃないかと思います。
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感想、考察:豊田利晃監督の脳内妄想映画…
焦点のはっきりしない映画ですので物語を求めて見に行きますと、それこそ物語は自分で作らなくっちゃダメよと言われてそのまま静かに眠りの底に落ちていくことになりそうな映画です。
結局のところ、豊田利晃監督の脳内妄想を映像化している映画だとは思います。2シーン(だったと思う…)、狼介のモノローグがあり、おそらくその語りが妄想の一端をあらわしていると思われ、また映画的にも重要だったんだとは思いますが残念ながら記憶できていません。
それにしても面白い監督さんですね。豊田利晃監督の映画は「泣き虫しょったんの奇跡」をDVDで見たのが最初で、その後「破壊の日」を見て奇妙な映画だなあと記憶していたということなんですが、今「破壊の日」のレビューを見てみましたら、新野風(松田龍平)と鉄平(渋川清彦)は同じ役名に同じ俳優ですね。窪塚洋介さんも出ていますがこちらは役名が違います。
ん?「狼蘇山シリーズ」?
「狼蘇山シリーズ」は、豊田利晃監督が手掛ける、日本映画のシリーズです。2019年の『狼煙が呼ぶ』から始まり、『破壊の日』(2020年)、『全員切腹』(2021年)、『生きている。』(2022年)などの作品があります。このシリーズは、特定の信仰や世界観を背景に、現代社会の混沌に挑む物語を描いています。
(Googl AI 検索)
そういうことですか。じゃあ他の作品も見なくっちゃわかんないですね。
とにかく、おもしろい映画でした。