そんなには褒めないよ。映画評

ネタバレレビュー・あらすじ・評価・感想

ホーム / た行 / た / 誰も守ってくれない/DVD

誰も守ってくれない/DVD

2010/02/24

誰も守ってくれない

誰も守ってくれない

佐藤浩市, 志田未来, 松田龍平, 石田ゆり子, 佐々木蔵之介, 佐野史郎, 津田寛治, 東貴博, 木村佳乃, 柳葉敏郎
Amazon

モントリオール映画祭で最優秀脚本賞ですか…。「おくりびと」といい、この映画といい、どうも私はこの映画祭とは肌が合わないようです。

(以下、この映画を良かったと思われる方は、間違いなくムッとしますので、読むのは自己責任でよろしくです。)

この「誰も守ってくれない」、私には、フジテレビでやるべきテレビドラマにみえるんですよね。犯罪における加害者家族の問題を「踊る大捜査線」のごとき、大衆迎合的エンタテイメントにしてもらっても、どうなんでしょう…?といっても、私、「踊る〜」自体を観たこともありませんので、戯言と思って読んでくださいませ。ペコリ。

で、何が大衆迎合的って?

皆が皆、悪いのはボクじゃない、って、自分をエクスキューズしているんですよね。もちろん、この世の中、言い訳ができなきゃ息苦しくってやってられやしませんが、だからといって、言い訳をして、気分スッキリ、心も晴れ晴れってのは、こういったテーマにはちょっとね…。

主役の刑事(佐藤浩市)は、3年前だったか、過去に致命的なミスを犯し、子供を死なせていますが、それは、出世しか頭にない上司のせいだと、それも自らではなく、死なせてしまった子供の親(柳葉敏郎)に言わせて、なおかつ、柳葉には自分の本当の気持ちを押さえている見え見えのクサイ芝居をさせ、その感情を一瞬爆発させることで、そりゃそうだよと、みんなでエクスキューズ!挙げ句の果てに、ラストには、新しい命が妻に宿っていると刑事に伝えて、お互いに、またもエクスキューズ!そして、一件落着、刑事は、晴れ晴れとした表情で歩きながら、当初から幾度もアップのカットを挟んで、ラストまで引っ張ってきた娘へのプレゼントを渡す電話をするのです。きっと、離婚の危機も乗り越えられるのだろうと希望を抱かせながら…。

何も問題は解決していないのに、です!

この映画が、フジテレビのプロデューサーに、フジテレビ系の脚本家である監督が描く、犯罪報道のあり方、特に加害者家族の扱いをテーマにした社会派映画、とするならば、新聞記者の男(佐々木蔵之介)が、その代弁者ということなのでしょう。記者は、そもそも自分の行為が発端なのに、ラストでそれを自ら認めることによって免罪されようとします。そもそも、発端となる行為自体も、実は自分の息子はいじめにあって自殺(だったと記憶)しており、見殺しにした学校を恨んで、加害者家族を守る警察を敵視することから始まるという、これまた自分自身にエクスキューズ!

で、挙げ句の果てに、加害者の家族を執拗に追い詰める本当に悪い奴らは、顔の見えない匿名のネットなんだと、いつの間にか、巧妙にかすり替え、悪いのは自分たち真っ当なメディアではないのだと、さらに、警察もネットを利用して煽っているのだと、まるで自分たちに罪はないのだと…。

本当に悪いのは誰なの?に、です!

書いていて、一体、私はテレビ、特にフジテレビにどんな恨みがあるのだろうと不思議に思いつつ、
まあ、そんなことは放っておいて「テレビなど観ていないで、映画を観よう!」

ミルク/DVD
パレード
Twitter
Facebook
ブックマーク
Filmarks

最初のサイドバー

最新映画レビュー

2023/03/20

コンペティション

ペネロペ・クルスの映画監督役がはまっていてびっくり!

2023/03/18

The Son/息子

観念的な父子関係のまま人生は続くと言われても…

2023/03/14

マジック・マイク ラストダンス

チャニング・テイタムとKylie Sheaのデュエットは見応えあるが…

2023/03/12

Winny

事件そのものの問題点に迫ることなく弁護側の主張に基づく映画

2023/03/08

エッフェル塔~創造者の愛~

史実のつまみ食いとベタなラブストーリー

最新映画レビューを一覧で見る

おすすめ映画

2023/02/12

コンパートメントNo.6

ネタバレレビュー、あらすじ、感想、評価。

2023/01/24

母の聖戦

ネタバレレビュー、あらすじ、感想、評価

2022/12/27

の方へ、流れる

ネタバレレビュー・唐田えりかの映画的存在感の凄さとシナリオのうまさ

2022/12/03

あのこと

ネタバレレビュー・アンヌの身体や人生のことはアンヌが決めるべきということ

2022/10/14

スペンサー ダイアナの決意

ネタバレレビュー・クリステン・スチュワートのダイアナが自由への物語を生み出す

おすすめ映画を一覧で見る

よく読まれている記事

  • 記事一覧
  • おすすめ映画
  • よく読まれている記事
  • 英数字
  • あ行
  • か行
  • さ行
  • た行
  • な行
  • は行
  • ま行
  • や行
  • ら行
  • わん他

Footer

My Web Sites

  • @半径とことこ60分
  • そんなには褒めないよ。映画評
  • IMUZA.com
  • GitHub

Related Links

  • IMDb
  • Filmarks
  • 映画.com
  • allcinema

Contact Us

  • お問い合わせフォーム
  • Twitter
  • Facebook
  • Feedly

Copyright © 2023 · IMUZA.com