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トスカーナの贋作/アッバス・キアロスタミ

を見て人生の目利きになる

2011/04/23

字幕ではなく、オリジナル言語で見られれば、もっと映画の良さが分かっただろうにと思います。イタリア語、フランス語、英語が入り交じりますので、微妙なニュアンスを感じ、微妙なことを語れる人はそう多くはないでしょう。

アッバス・キアロスタミ監督がイタリアで撮ったということで興味があったのですが、映画の完成度はかなり高そうです。「高そう」などと曖昧なのは、最初にも書いたように、翻訳を経由してこの映画を見るということは、たとえば、ここは英語だからこう、突然フランス語になったのはこうだから、といった具合に、ひとつひとつ登場人物の心理状態を整理しながら見るしかないわけですので、映画そのものを理解することは相当に難しいです。ですから、良く出来ているとは思っても、映画の力そのものとして感じることは、(私には)出来ませんでした。

ジュリエット・ビノシュ)と出会い、半日ほどを会話しながら過ごすという話なんですが、作家の著作「贋作(かな?)」に絡めて、アート談義の会話が次第に15年を過ごした本物の夫婦の会話の如く変化していきます。

その変化していく様がこの映画の見所なのですが、如何せん、幾度も書きますが、3言語がオリジナルで理解出来なければ、どこまでいっても観念的に理解するしかないわけで、それは、映画としては非常に残念なわけです。

結論的にいえば、「本物」と「贋物」の境界の曖昧さがテーマであり、それは極めて恣意的なものだということだとは思います。

それと、とても強く感じたことは、映像、特にそのフレーミングに相当神経を使って作られています。冒頭のまだ演者のいない演台をずっと撮り続けるカットやラストのホテル室内から窓越しのカットは分かりやすいですが、その他全編、全く隙がありません。巨匠と言われる(かな?)所以です。

宮崎あおい主演で新作を撮るとの話もあるようで楽しみですね。
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