2011年最後の映画となり、ピュアな気持ちで新しい年を迎えられました。
いつの間にか、2012年になってしまいました。と言うほどに、歳を重ねるにつれ、時間の流れが速くなっています。
大晦日に書き始めていた「永遠の僕たち」が、すっかり忘れられ下書きに眠っていました。
今年も3時間あまりとなりました。2011年最後の映画になりました。
死を目前にした少女との恋という、これが日本や韓国の映画であれば、相当ベタな話になりそうですが、ガス・ヴァン・サント監督が撮れば、そうはなりません。ピュアな気持ちになれるいい映画でした。
なぜなんでしょう? 「死」よりも「生」に主題がおかれているからでしょうか?
そういえば、アナベル(ミア・ワシコウスカ)は一度も自分の死を口にしなかったように思いますし、「生」への執着もそれほど強く語ったことはなかったように思います。ただ、今生きていることを大切にしようとイーラック(ヘンリー・ポッパー)との愛をはぐくんでゆきます。
一方、イーラックの方は、公式サイトなどで「死にとらわれた少年」と紹介されていますが、とらわれていると言うよりも、未だ、両親の死や自らの臨死体験からくるショック状態にいるということで、決して「死」を望んでいるわけでもなく、ごく一般的なティーンと(見受けられるように)描かれています。
そしてもう一人、加瀬亮演じるヒロシ、特攻隊員の幽霊なんですが、幽霊にしてはかなりリアリティのある人物として描かれています。もちろんイーラックの見る幻影というか守護霊みないなもんなんですから、どんなキャラクターでもいいんですが、イーラックとアナベルの友人として全く違和感のない現代的な価値観を持っています。英語がうまいせいもあるのでしょうが、変にその時代を引きずっていない感じがとてもよく、やたらボードゲーム(でいいのかな?)をやりたがったりするというのも面白かったです。
見ていて気恥ずかしくならない青春物語でした。
ラスト近くで長崎の原爆の実写映像が挿入され、長崎のことも語られていたのですが、どういう意味合いだったのかやや記憶が曖昧で、忘れなければDVDでチェックしようとは思っています。