トランスポーター張りのカーアクションものかと思いきや、そうでもなく、許されぬ愛をからめたフィルム・ノワールものかと思いきや、やはりそうでもなく、マフィアものかと思いきや…
先週末、試写会で「ドライヴ」見てきました。公開が一週間後3/31ですので、ネタバレなどないよう注意深く書かなくてはいけないですね。
あらすじは
スタントマンと逃がし屋の二つの顔を持つドライバーの姿をクールに描き、欧米の評論家の称賛を浴びたクライム・サスペンス。昼と夜では別の世界に生きる孤独な男が、ある女性への愛のために危険な抗争へと突き進んでいく。メガホンを取ったデンマーク人監督ニコラス・ウィンディング・レフンは、本作で第64回カンヌ国際映画祭監督賞を受賞。『ブルーバレンタイン』のライアン・ゴズリングと、『17歳の肖像』のキャリー・マリガンの演技派が出演。緊迫感あふれるバイオレンスとフィルム・ノワールのような雰囲気、ジェットコースターのような展開から目が離せない。(ドライヴ (2011) – シネマトゥデイ)
といった感じなんですが、ただ、この映画はストーリーで見ようとすると、多分あまり楽しめないでしょう。実際、中ほどまでは予想を裏切られること、必至です。当然ながら、ドラマってのは、こう来るならこうなるだろうという暗黙の了解というか、ある一定のパターンの上に成り立っていることが多く、それがあるからこそ安心して見られるわけですし、逆にそのパターンをちょっとずらせば、新鮮だの奇抜だのの評価が得られるわけです。
どうもこのニコラス・ウィンディング・レフン監督は、そのあたりを逆手にとってこの映画を作っている感が強く、中ほどまではなかなかすんなりとドラマの世界に気持ちよく浸るというわけには行きません。
しかし、安心してください。それら多くの疑問は、中ほど(何回目?)のあるシーンですべて氷解します。それを過ぎれば、もうラストシーンまで何の迷いもなく気持ちよく見られます。
「トランスポーター」張りのカーアクションものかと思いきや、そうでもなく、許されぬ愛をからめたフィルム・ノワールものかと思いきや、やはりそうでもなく、マフィアものかと思いきや、これまたそうでもなくといった具合に、次々に期待を裏切りながら、結局、おおこの映画はこれだったのか!と深く納得させられる、とても不思議な映画なのです(笑)。
この映画は、昨年のカンヌで「ツリー・オブ・ライフ/テレンス・マリック監督」「少年と自転車/ダルデンヌ兄弟監督」「メランコリア/ラース・フォン・トリアー監督」「アーティスト/ミシェル・アザナヴィシウス監督」など強豪ひしめく中、堂々の監督賞受賞という栄誉を勝ち取っています。
今後が期待のニコラス・ウィンディング・レフン監督です。かな?
それにしても、キャリー・マリガン、可愛いですね。ちょっと丸いかなという感じはしますが、「シェイム」ほどではありません。撮影の前後が分かりませんので、やせたのか? 太ったのか? あるいはあれは役作りだったのか?