この映画、ひょっとして「フランス、革命へのメソッド」じゃないの?
見逃したのかなと思ってレンタルしてみたら、DVDスルーでした。記憶にないはずです。それにしてもセドリック・クラピッシュを劇場公開できませんか…。
セドリック・クラピッシュ監督らしい笑えるのに切なくなる映画です。
イギリスが階級社会というのはよく聞く話ですが、フランスもそうなんでしょうか? 「最強のふたり」がそうでしたが、この映画も若干そんなことを感じさせます。
いや、違いますね。この映画が描いているのは階級ではなく格差社会ですね。金融トレーダーでいわゆるセレブのスティーブ(ジル・ルルーシュ)と働いていた工場が倒産し途方に暮れる3人の子持ちのシングルマザーのフランス(カリン・ヴィアール)が、ハウスキーパーとその雇い主という関係で出会います。
この設定を聞いただけでもうその後の展開が想像つきますね。しかし、そう簡単にはいきません。確かに映画は想像通りに進みそうだと匂わせてラストまでいきますが、決して「最強のふたり」のような結末を迎えることはありません。むしろ絶望的と言ってもいいかもしれません。
スティーヴはフランスが働いていた工場の従業員たちに追われるようにして終わり、一方フランスは警察に逮捕され、しかしながら不思議な笑いを残して終わります。この笑いが何とも不可解で、意味深で、徹底的に意図的ですね。何なんでしょう? 興味ありますね。ひょっとして革命へのメソッド?
この映画が「最強のふたり」ほどヒットしなかった(かどうかよく知りませんが)としたら、その理由のひとつは、残念ながらこれが現実だからですね。