前作「君とボクの虹色の世界」では、ソフィア・コッポラとともに、あるいは対比も含め、「ガーリー」などという言葉で紹介されていたように記憶しているミランダ・ジュライ監督の最新作、5、6年越しということになるのでしょうか。多才な人で、作家、ミュージシャン、パフォーマーでもあり、なかなか映画に絞りきれないのでしょうか、前作が良かっただけにもっと早く見たかったです。
監督であるとともに、本人が主役で出ているわけですから、相当にミランダ・ジュライ監督自身が反映されているとみるのが自然でしょう。本人39歳、ソフィー35歳、年齢も近いですし、「5年後には40歳」とソフィーに語らせているところをみますと、ある種、年齢からくる迷いのようなものがミランダ・ジュライ監督にあるのでしょう。
そのせいか「迷い」そのものがにじみ出ている映画です。
ただ、その「迷い」も個的なところから抜けきれず、あまり映画的とは言えません。強い共感を持つ層が一定程度いるとは思いますが、どうももうひとつ突き抜けておらず曖昧模糊としている感じです。
才能豊かゆえの自家中毒におちいっていなければいいのですが…。