パク・チャヌク監督、久しぶりの感じがしますが、ハリウッドで撮ってたんですね。
この映像、冒頭の10分くらいがネットに流れていたんですが、いいんですかね? cinemacafe.netがアップしているようですからいいんでしょうね。
かなり鬱陶しい映画です(笑)。全編力が入りすぎているような、思わせぶりな編集とサウンドデザインの連続で疲れてしまいます。オチも、基本的なストーリーである弟のチャールズ(マシュー・グード)が全ての事件の鍵であることは、かなり早い段階で分かりますし、なんだか話を引っ張り過ぎって感じです。
でもまあ、パク・チャヌク監督は、ハリウッドで自分自身の持ち味をしっかりと出しているのではないかと思います。最後まで妥協せずやりきっている感じはします。というより、ハリウッドに合っているのかも知れませんね。
ところで、映画の本筋とは違うところで妙に感じ入ったことがありました。こういうのは感じ入ったって言い回しでいいのかな?
何かというと、ニコール・キッドマンの存在感なんですが、元ニコール好きとしては、何でこんな役やってんの?って感じです。全く存在感なし、こんな役なら誰がやっても同じ、この女性イヴリン(ニコール・キッドマン)が一体どんな女性なのかさっぱり分かりません。もともとインディア(ミア・ワシコウスカ)の映画ですからやむを得ない部分もあるかも知れませんが、そうだとしてもひどすぎます。娘インディアに対してどんな母親なのか、死んだ夫の弟であるチャールズとどうしたいのか、とにかく何もない、ただ金にまかせて贅沢(かどうかもよく分からない)な生活をしている馬鹿な人間にしか見えません。
世代交代? ニコールとミア、共にオーストラリア出身ですから、何となくそんな気がして、感じ入ったとなったわけです。
で、話を戻し、インディアの映画だからいいんじゃないの、と書きましたが、あらためて考えてみると違いますね。何だか大層なつくりの割りにこの映画が面白くないのは、インディアが何に反抗しているのかが伝わってこないからのような気がします。単に叔父のチュールズとどこか深層心理的なもので引きつけ合う、あるいはヴァンパイアもののような血のにおいをかぎ分けるみたいなこともありかも知れませんが、やっぱり、インディアを苛立たせる何かが必要でしょう。ニコール・キッドマンならそれが出来たのに、と思います。
冒頭、ストップモーションは止めてほしかったですが、それとラストシーンは好きですね。このイメージで全編を作れば良かったのにと思う、残念な映画でした。