もうすっかりジュリー・デルピーの映画のような気がする
1995年「ビフォア・サンライズ」、2004年「ビフォア・サンセット」、そして2013年「ビフォア・ミッドナイト」、ちょうど9年ごとになりますね。
これだけ続編を計算ずくでやりますと、普通失敗するものですが、リチャード・リンクレイター監督もジュリー・デルピーもイーサン・ホークも、皆思い入れが強いのでしょうか、手を抜くことなく作れば良いものが出来るということのようです。
俳優自身が、相当映画そのものに関わらなければ、こういうものは出来ないでしょう。基本、せりふ劇は第一作から変わりませんが、さらに濃密なものになっています。冒頭の車の中のシーンなどその典型ですが、15分か20分くらいあったのではないでしょうか、それが全編二人の会話なのに2カットくらいしかないんです。それも、字幕を読むのも追っつかないくらいのせりふ量です。
とにかく圧倒されます。せりふ量だけではなく、その濃密な会話の内容に。
食事をしながらの会話も良いですね。年代の離れた4組のカップルが知的な会話から下ネタまでとにかく喋りまくります。ここでも、ジュリー・デルピーのパワーが際だっています。
ジュリー・デルピーは、2004年の「パリ、恋人たちの2日間」から監督としても活躍していますが、この3作への関わりが自作へも相当影響しているように感じます。また逆に、自作での経験が、「ビフォア・サンセット」と本作にも影響しており、たとえば、先ほどの食卓を囲んでの会話シーンなど、「スカイラブ」にも似たようなシーンがあります。もちろん、この映画はジュリー・デルピーが監督ではないのですが、勘違いするくらいに似たトーンを感じます。それだけジュリー・デルピーのパワーがすごいということでしょう。
で、9年後の2022年、シリーズ最終作「ビフォア・****」はあるのでしょうか?