どうしちまった、クローネンバーグ? らしくないところが不思議な映画です。
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この映画、監督もそうですが、制作側として考えていたような作品に仕上がったのでしょうか? 私には完全なる失敗作にみえるのですが…。
というのも、何が焦点の映画なのか全くつかめなかったです。
「マップ・トゥ・ザ・スターズ」のタイトルを皮肉ととるならば、ハリウッドの内幕劇となりますが、どう見てもそこにさほど切り込んでいるようには見えませんし、カンヌで最優秀女優賞をとったジュリアン・ムーアの映画かといえば、相当力が入っているなとは思いますが、エンディングを見ても分かるように、ハヴァナ(ジュリアン・ムーア)の話がメインではありません。
どう考えてもメインストーリーは、ワイス父(ジョン・キューザック)とワイス母(オリビア・ウィリアムズ)の関係と姉アガサ(ミア・ワシコウスカ)と弟ベンジー(エバン・バード)のややこしき関係でしょう。ただ、それにしてはミア・ワシコウスカが健康的すぎますし、クローネンバーグ監督もここにさほど興味を持っているようにはみえません。
で、狙いはワイス家の愛憎物語とハヴァナの母子関係のどろりとしたところを絡めてサスペンスタッチの奇妙なラブ&シニカル群像劇にしようとしたのに、ジュリアン・ムーアのやり過ぎとミア・ワシコウスカの影のなさ過ぎで、結果、意図しないものになってしまったってことじゃないでしょうか。
いずれにしても不思議な映画です。
ワイス家は典型的なハリウッドのセレブファミリー。父のワイスはセレブ向けのセラピストとして、TV番組も持つ成功者。13歳の息子ベンジーはドラッグの問題を乗り越え、超有名子役としてブレイク中。そして母親のクリスティーナは、ステージママとして息子の出演作の物色にいとまがない。一見なんの不自由もなく、富も名声も手に入れたワイス家。しかしこの一家には、封印された秘密があった……。ワイスのセラピーを受けている落ち目の有名女優ハバナは、知人の紹介で顔に火傷の後がある少女アガサを個人秘書として雇うことにする。しかし、この少女はある問題を起こしてフロリダの施設に入れられていたワイス家の長女だった。アガサがハリウッドに戻ってきたとき、封印されていた秘密が明らかになり、一家や周囲の人々の歯車は狂い始める……。 (公式サイト)