毛皮のヴィーナス/ロマン・ポランスキー監督

オープニングの映像と音楽で期待は高まったが、本編は言葉が壁なのか理解度50%

面白いといやあ面白いですが、わざわざ映画にしなくても舞台で見るべき内容でしょう。それに、フランス語を理解していないと集中できないですし、あるいは原作を読んでから見た方がいいかもです。

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ワンダ(エマニュエル・セニエ)とトマ(マチュー・アマルリック)二人の掛け合いの微妙なところが重要なんでしょうが、さすがに字幕では無理です。それに原作に対する解釈なんでしょうか、ワンダがフェミニズム視点でいろいろ言っていたように思うのですが、よく分からなかったです。ポランスキーの自虐ネタとか?

ワンダがそれまでのがさつで厚かましい(公式サイトから)雰囲気から、セリフを読む瞬間、一転して劇中のワンダに変わるシーンがありますが、ちょっと弱かったですね。あそこにもう少しインパクトがあれば入れたかも知れません。やはり言葉の所為でしょうか。

生の舞台で見ると面白そうですね。舞台俳優であればやりがいがあるでしょう。自分の演技でその場の空気を一瞬にして変えることが出来るのですから、役者冥利に尽きるってやつじゃないでしょうか。

オーディションに遅刻してきた無名の女優ワンダと、自信家で傲慢な演出家のトマ。
がさつで厚かましくて、知性の欠片もないワンダは、手段を選ばず強引にオーディションを懇願し、トマは渋々彼女の演技に付き合うことに。
ところが、ステージに上がったワンダは、役を深く理解し、セリフも完璧。
彼女を見下していたトマを惹きつけ、圧倒的な優位に立っていく。
二人の芝居は熱を帯び、次第にトマは役を超えて、ワンダに身も心も支配されることに心酔していくのだが──。(公式サイト