タイトルが自分探しものくさく、ちょっと迷ったのですが、「ダラス・バイヤーズクラブ」のジャン=マルク・ヴァレ監督の映画ということで見に行きました。
ダラス・バイヤーズクラブ、かなり良かった記憶ですが、今ブログを読み返してみますと、あまり映画の内容については書いていないですね。
レイヨン(ジャレッド・レト)の印象がかなり強かったんだと思います。
で、「わたしに会うまでの1600キロ」です。
どんな映画?と聞かれたら、「女の人が1600キロ歩く映画」としか言いようがなく、さすがに始まってしばらくは、これで最後まで持つか?と不安にもなりましたが、さすがなんでしょう、ジャン=マルク・ヴァレ監督、最後まで見せてくれました。
スタートしてすぐに、「バカなことをした」と後悔するシェリル。 今日から一人で砂漠と山道を歩くのだが、詰め込みすぎた巨大なバックパックにふらつき、テントを張るのに何度も失敗し、コンロの燃料を間違ったせいで冷たい粥しか食べられない。この旅を思い立った時、シェリルは最低の日々を送っていた。 どんなに辛い境遇でもいつも人生を楽しんでいた母の死に耐えられず、優しい夫を裏切っては薬と男に溺れていた。遂に結婚生活も破綻、このままでは残りの人生も台無しだ。母が誇りに思ってくれた自分を取り戻すために、一から出直すと決めたのだ。 だが、この道は人生よりも厳しかった。極寒の雪山、酷暑の砂漠に行く手を阻まれ、食べ物も底をつくなど、命の危険にさらされながら、自分と向き合うシェリル。果たして彼女が、1600キロの道のりで見たものとは──?
シェリル(リース・ウィザースプーン)の行動は、「自分探し」イメージとはちょっと違って、自暴自棄になった自分から立ち直りたいということでした。それも結構ハードで、ドラッグに溺れ、夫がいながら行きずりの男たちと寝るというところまで堕ちてしまったという設定です。
このハードさがあってやっと見られる映画になったと言えなくもありませんが、それにしても、自分を見失っていく原因が母の死というのは、もちろん本人にとってはそれだけの重要なことなんでしょうが、映画的には(というより私にとってはかな?)結構難しい動機付けでした。
そこら辺り、ジャン=マルク・ヴァレ監督、うまい具合に、目の前で起きる障害、たとえば、岩場で靴をなくしたり、水がなくなり死に直面したり、女性の一人旅ゆえのレイプの恐怖といったことに、母との思い出のフラッシュバックを使って、最後まで緊張感を維持させていたように思います。
シェリル・ストレイドさんの自伝が原作とのことなんですが、どのあたりまで事実なんでしょうか、映画的脚色も多いのではと思います。
「コンドルは飛んでいく」がテーマ的に頻繁に使われたり、シェリルの母親に何となくヒッピーぽさが感じられたり、ジェリー・ガルシアの追悼ライブがあったりと、ジェリー・ガルシア?誰だっけ?と思っていましたが、グレイトフル・デッドでした!などと、ジャン=マルク・ヴァレ監督、何かヒッピー文化に意識があるのかもしれません。
ところで、「パシフィック・クレスト・トレイル」。よく知りませんでしたがそそられますね。公式サイトに、この映画「Wild」の紹介があり、シェリル・ストレイドさん本人の話やPCTの紹介動画がありました。