トランスポーター/カミーユ・ドゥラマーレ監督

見終わって何も残らない爽快さはリュック・ベッソン・アクションでしか味わえない!

「トランスポーター」のフランク・マーティンが、ジェイソン・ステイサムからエド・スクレインという人に変わってしまいました。

監督も「96時間」などの編集をやっていたというカミーユ・ドゥラマーレ監督という方に変わりました。

アクションものはほとんど見ないのですが、リュック・ベッソンだけは別で、「サブウェイ」以来のファンで、結構楽しみにしている映画です。

プロの運び屋、依頼品はいつもワケあり。
1.名前は聞かない 
2.契約厳守     
3.依頼品は開けない
そのルールをひとつでも破れば、「死」。
3,000万人の日本人が熱狂する、あの天才運び屋が始動する!

主演を変えての新作は、フランク・マーティンが随分身近になった感じです。ジェイソン・ステイサムの持っていたストイックさが影を潜め、フランクの父親まで登場し、親子の熱い愛情も加味され、随分人間的になりました。女性への対し方もかなり一般人(?)ぽくなりました。

2,3作作られるうちに新しいジェイソン・ステイサム像が作られていくのでしょう。

全体としてはこれというところはないのですが(笑)、編集からスタートしているというカミーユ・ドゥラマーレ監督の力が遺憾なく発揮されています。アクションシーンは見応えはあります。

まあ、こういう映画にストーリーや細部でツッコミを入れても仕方ありませんが、それにしてもちょっとばかり「悪役」に新鮮さがないのが気になります。もう少し違ったパターンの「悪」を考えてくださいね(笑)。それに、運び屋としてのスペシャルなシーンも少なかったです。

同じアクションでも、ハリウッドは決して「正義」や「倫理」という概念を捨てることはありませんが、リュック・ベッソン的アクションにはそうしたところがなく、とにかく突き抜けており、何も残らない(笑)爽快さが魅力なんです。

シリーズ物のレベルを保っていくのも大変でしょうが、「96時間」や、もうなくなったのかなの「TAXi」とともに楽しみしている映画ですので、続けてくださいね、リュック!