見るべきものはなにもなし。
映画は、一年に100本ほど見ます。300本、400本なんて人もいるようですので、一般的には多い方としても、映画好きからすると、まだまだというところでしょう。
100本見て、唸るほどいい映画は数本、逆に、とにかく早く終わって欲しい、劇場から早く出たいと思う映画は、まあ1,2本というところでしょうか。
何をもったいぶった言い方をしているのかと言われそうですが、その1,2本のうちの1本に出会いました(笑)。
映画『太陽』の原作は 2011年に劇団イキウメによって上演された同名舞台。劇団イキウメとは、劇作家であり演出家の前川知大が主宰する劇団であり、舞台「太陽」はこれまで読売演劇大賞をはじめさまざまな演劇賞に輝く傑作だ。映画化を熱望したのは『SR サイタマノラッパー』シリーズの入江悠監督。前川氏と入江監督が共同脚本という形で、映画『太陽』の実写映画化が実現した。
ということですので、この映画を良いと思われた方は絶対に読まないでください(笑)。
一言でこの映画を語るとしますと、映画的センスがダサいということにつきます。
原作がどうなのかは知りませんが、テーマが幼稚ですし、そのための設定に工夫や深みがまるでなく、俳優が悪いのか、俳優を動かす術を知らないのか、たとえば、トラブルメーカーのおじさん?(村上淳)が、村人に袋叩きにあう家の中からのカットの神木隆之介や門脇麦は監督の指示によって動いていると思われますが、あれは俳優が可哀想でしょう。エキストラの村人たちもまた然り。
そもそも、なぜ神木隆之介にあんなにも幼稚な演技をさせるのでしょう?
ロケ地の選択もセンスがありません。「キュリオ」は過疎地の住民ですか? 「ノクス」は出生率が低いとか言っていましたが、「キュリオ」のほうがよほど低そうで、若者や子どもなんていないじゃないですか。
中村優子や門脇麦(まだマシ)に鍬の入れ方くらい演技指導したらどうですか?
きりがないのでこれでやめますが、「ノクス」になりたいのなら、「ノクス」の「血」を避けずにウィルスに感染すればいいんじゃないの?
入江悠監督、最近、DVDで「日々ロック」を見ました。
これも借りなきゃ良かったの類で、「サイタマノラッパー」と「二階堂ふみ」につられて借りたのだと思いますが、これもひどいものでした。