そんなには褒めないよ。映画評

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セトウツミ/大森立嗣監督

まるでコントを見るように面白い。ん?それでいいのか?結局、池松壮亮&菅田将暉の映画です。

2016/07/30

夏休みということもあるので仕方ないのですが、日本映画にそそられるものがありません。

で、上映一覧を見ていて、ふっと目に止まったのがこの映画。

「喋るだけの青春」のコピーと監督大森立嗣の名前、公式サイトの予告編で一笑いして、さらに興味がわき、見に行きました。

男子高校生二人、放課後にまったりと喋るだけ。原作は「別冊少年チャンピオン」にて連載中の同名コミック。瀬戸と内海が並べば「セトウツミ」。メガネをかけたクールな塾通いの内海を演じるのは池松壮亮。元サッカー部でお調子者の瀬戸に扮するのは菅田将暉。監督は『さよなら渓谷』でモスクワ国際映画祭審査員特別賞を受賞した大森立嗣。(公式サイト)

面白かったです。

が、思ったほど「喋るだけの青春」ではなく、結構ベタなドラマをベースにしていましたし、喋るだけでは持たないと思ったのか、あるいは原作もそうなのか、寸劇のようなドラマを挿入していました。

結局、どうやっても、青春のテーマは、友情、恋愛、家族といったところなのでしょうか。

会話も、もう少し不条理劇系かと期待したのですが、どちらかと言いますと、コントのような感じで、しゃべりの間と切り返す言葉の面白さで笑わせるタイプです。

二人、セトとウツミの設定は、優等生のウツミに対して、セトはやや落ちこぼれ気味の人情派的なキャラなんですが、会話自体は、ボキャブラリーにしても、ひねりにしても、対等にやりあっており、どちらも頭は良さそうです(笑)。

ところで、原作はどんなんかと、電子書籍の試し読みしてみましたら、第1巻と映画の冒頭は、まるでシナリオか絵コンテかというくらいに全く同じでした。

ただ、映画のあの二人のキャラは漫画とは随分違う感じがします。漫画はもっとまったり感が強いですね。

いずれにしても、この映画は俳優次第といった感じで、その点では、池松壮亮さんと菅田将暉さんの映画と言えそうです。

菅田将暉さんを見ているのは、「共喰い」「そこのみにて光輝く」「ディストラクション・ベイビーズ」くらいですが、「共喰い」以外の映画では共にチンピラキャラをやらされていました。この映画に通じるようなイメージですが、残念ながら、あまりよい印象は残っていないですね。俳優の良し悪しは、監督次第というところもありますので何とも言えませんが、「共喰い」の危なっかしさを秘めたアウトサイダー的なものがなくなって、すっかり軽くなってしまいました。

池松壮亮さん方は、顔が浮かぶところでは、「横道世之介」「ディストラクション・ベイビーズ」「無伴奏」くらいですが、あまりはっきりしたイメージはなく、この映画のような、もやっとしたよく分からない感じの俳優さんという印象です。

とにかく、この二人の映画だと思いますが、一方、彼らが30代、40代になっても、同じように主役がはれる日本映画界であってくれればと思います。

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