(DVD)とてもわかりやすい人物配置の家族ファンタジーDVD視聴ですので今さら言うことではありませんが、生田斗真さんが MtFのトランスジェンダーで、身体的にも女性に移行した人物を演じています。
日本のメジャーな映画では、おそらくトランスジェンダーの人物が主演の映画はなかったのではないかと思いますが、海外では、最近でも、当サイトお勧め映画にピックアップしている「ナチュラル・ウーマン」、FtMの「アバウト・レイ 16歳の決断」、「タンジェリン」、「リリーのすべて」、そして「わたしはロランス」などなどいい作品が多いです。
で、以前から見てみようと思っていたこの「彼らが本気で編むときは、」、やっと見られました。
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トランスジェンダーどうこうよりも家族の映画ですね。
もう(映画の)最初からリンコ(生田斗真)は身体的にも性別移行をして、そのことを受け入れているマキオ(桐谷健太)という伴侶もいるという設定ですし、映画の主たる問題は、母がネグレクトであるトモ(柿原リンカ)がどうなっていくかということかと思います。
荻上直子監督の映画は、「かもめ食堂」しか見ていませんので思い込みの印象かもしれませんが、割と人間関係を単純化して、非常にわかりやすい、悪く言えばステレオタイプな人物による交流を描く監督かと思います。
その意味ではこの映画も、相手を見た目や外見で判断しない(できた人物の)マキオ、リンコの性別違和を子供の頃から理解した(できた人物の)母、ネグレクトの(ダメな人物の)トモの母、トモの同級生で同性愛指向の(悩みを持つ)カイ、そしてそうしたセクシャルマイノリティに偏見意識が抜け切らない(ダメな人物の)カイの母といった具合にとてもわかりやすい人物配置で物語を進めていきます。
そうしたできた人物とダメだけれどもおそらくそのダメなところにはそれなりのわけがあり、少しずつではあってもきっとできた人になっていくだろうという環境の中で、トモは多くのことを学び育っていくだろう、そして育っていって欲しいと願う大人の家族ファンタジーの映画だと思います。
この映画は、リンコがトランスジェンダーでなくても、たとえば同性愛指向の男性であっても同じような物語を語れるわけですので、その意味でも家族の映画だと思ったわけです。
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