驚愕を超えた感動をどうぞ。
「憐れみの3章」「哀れなるものたち」「女王陛下のお気に入り」「聖なる鹿殺し」のヨルゴス・ランティモス監督です。ちょっと乱造気味ですね。粗製濫造になっていなければいいのですが。

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ネタバレあらすじ
ヨルゴス・ランティモス監督はエマ・ストーンさんと組みますと映画が幼稚になりますね(ゴメン…)。
「哀れなるものたち」と同じで単純すぎて想像力が刺激されません。
どちらの映画もエマ・ストーンさんの制作会社フルーツツリーが製作に入っていますし、本人もプロデューサーに名を連ねています。
まあ、単に主演として目立っていることからの思いつきではあります。それに、そもそもこの「ブゴニア」は韓国映画の「地球を守れ!」のリメイクで、2020年にその映画のチャン・ジュファン監督自身が監督し、アリ・アスターさんがプロデューサーとしてスタートしたものの頓挫し、2024年にヨルゴス・ランティモス監督とエマ・ストーンさんが加わったとのことです。
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悪徳企業 vs 陰謀論
人の命よりも利益を優先する巨大製薬会社とそれが宇宙人によるものだとする陰謀論を対決させること約100分、そして、さてどうなるかのラスト10分では、実はそれは超宇宙人、つまりは神による人類創造と幾多の更生指導の試みの最終章だったことが明らかになり、さすがに忍耐強い神もこりゃダメだと人類を滅亡させたというお話です。
悪徳企業の代表は巨大製薬会社の CEO のミシェル(エマ・ストーン)、陰謀論者はその会社で働くアンダークラスの労働者テディ(ジェシー・プレモンス)です。
テディとテディを信じて付き従うドン(エイダン・デルビス)はミシェルを誘拐して家の地下に監禁します。テディはミシェルがアンドロメダ星人であり、地球侵略を目的としてやってきていると信じています。誘拐の目的はアンドロメダ帝国の皇帝と交渉するために会わせろというものです。
なぜテディが陰謀論に染まったかですが、前半では、コロニー崩壊症候群(CCD)はミシェルの会社の農薬が原因であるとの主張が中心になっています。テディは仕事の合間に養蜂をやっています。
蜂群崩壊症候群(CCD:Colony Collapse Disorder)は、ミツバチの働き蜂が女王蜂と幼虫を残して突然大量に失踪・死滅し、巣箱が維持できなくなる現象です。2006年頃から欧米を中心に世界各地で発生が報告されており、原因は農薬(特にネオニコチノイド系)、寄生ダニ、ウイルス感染、環境ストレスなどの複合的要因が疑われていますが、未解明の部分も多い現象です。
(Gemini)
後半になりますと、実はテディの母親がミシェルの会社の薬の臨床試験により昏睡状態となっていることが明らかになります。和解が成立して賠償金が支払われているようです。
これらが重なったことから陰謀論に陥ったと思われます。
そしてもうひとつ、かなり意味ありげに保安官が登場してしきりに過去のことを謝罪しています。どうやら保安官はテディのベビーシッターだったらしく(見た目の年齢に違和感…)、性的虐待を加えていたとの設定のようです。
終盤にはミシェルがテディの家の地下室で人体のホルマリン漬けを発見するシーンがあります。私は虐待をしていた父親かと思って見ていましたが、ミシェルが見ていたファイルは、テディがアンドロメダ星人と疑って監禁した数人の人物の写真だったようでよくわかりません。
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神はさじを投げた
わずか4人でつくられた映画ですので低予算かと思っていましたら、推定では4500万ドルから5500万ドルだそうで、ヨルゴス・ランティモス監督の映画では最も製作費がかかったと DEADLINE が書いています。エマ・ストーンさんのギャラですかね。
エマ・ストーンさんはオチシーンでアンドロメダ帝国の皇帝になっていました。神ですね。
悪徳製薬会社対陰謀論のディベートは保安官という邪魔者が入ることで中断し、ミシェルは二人きりとなったドンを懐柔しようとするもドンは絶望して(ちょっとよくわからん…)自ら頭をぶち抜き、テディも保安官を撲殺し、その後ミシェルが宇宙人であることを認めたために、ともにアンドロメダへ飛び立つ約束で製薬会社のオフィスに戻り、テディは宇宙船へのテレポート装置である(実際にそう…)クローゼットに入ったものの爆死し、その後救出されたミシェルがどうするかと思いきや、自らもクローゼットに入り宇宙船にテレポートしていきました。
で、すでに書きましたようにアンドロメダ帝国の皇帝兼任である神ミシェルを囲んだ元老院の構成員たち(多人種構成でした…)は、幾度も更生の機会を与えているにもかかわらず一向に愚行を改めようとしない人類を宇宙から消すことに決定し、ミシェル皇帝は金魚鉢のようなものに何かを垂らし(たように見えたけどよくわからん…)ます。
その瞬間、地球上のあらゆるところで人間たちがその時の状態のまま死にます。白人系以外はいなかったと思います。また、他の生物、鳥たちやミツバチは変わらず生きています。
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感想、考察:驚愕を超えた感動を…
オチの陳腐さは驚きをはるかに超えて、ある種感動的ではありました。
ホントか(笑)!?
まあでも、このネタをまじでディベートなどしたらこういうオチしかなくなるでしょう。コメディネタなのにヨルゴス・ランティモス監督は真面目なんですかね。
それにやっぱりヨルゴス・ランティモス監督は「神」に頼ります。キリスト教の神じゃなくギリシャ神話です。それと寓意性にも頼ります。「聖なる鹿殺し」や「憐れみの3章」は顕著です。
「ブゴニア」ってなんだろうと思い Gemini に聞いてみました。
古代ギリシャ・ローマ時代に信じられていた「牛の死体からミツバチが自然発生する」という不可思議な儀式です。
- 語源: ギリシャ語の「bous(牛)」と「gone(出生・子孫)」に由来し、「牛から生まれたもの」を意味します。
- 儀式の内容: 太らせた牛を(出血させないように)殴り殺し、その死骸を閉鎖された建物の中に安置しておくと、数週間後に死体の腐敗した組織からミツバチの群れが湧き出てくると信じられていました。
- 文学的背景: ローマの詩人ウェルギリウスの『農耕詩 (Georgics)』に詳しく記されており、死と再生、あるいは崩壊からの新たな生命の誕生を象徴するメタファーとして扱われます。
だそうです。詳しくは「Bugonia」へどうぞ。