100%騙されて、ああ今日も騙されたとしあわせな気持ちで帰路につく
メラニー・ロラン監督の「ガルヴェストン」を見る予定が急遽変更、「コンフィデンスマンJP」を見ることになりました。理由はいたって簡単、ちょっとした時間の行き違いです(笑)。
朝のテレビで長澤まさみさんを見たことも理由のひとつです。番宣も有効との事例ですね。
以下、しょうもないことしか書いていません。
で、「コンフィデンスマンJP」というテレビドラマがあることもまったく知りませんでした。タイトルも初めて目にしました。
というコンフィデンスマン初心者に果たして楽しめるのでしょうか?
何も考えなくてもいいという意味では楽しめます(笑)。
丁寧にわかりやすくつくられています。何も知らなくても、何も考えなくても、最後まで楽しめます。映画が全て教えてくれますので疲れることもありません。
おそらくコンフィデンスマン鑑賞のベテランは、ダー子が仕込んだものは何か? を予想しながら見て楽しむのでしょう。
でも、この映画の仕込みを読むのは100%無理でしょう。だって、最後にはそれまでのすべてをひっくり返すんですから。
この映画は詐欺の過程を見せるのではなく、ある物語一本を見せておいて、最後にその物語がすべて詐欺行為として仕組まれたものだったんだよと明かすという映画です。
映画のジャンルとして、騙すことの痛快さを見せるものは結構あると思います。私が見ているものでも、古くは「スティング」から「ユージュアル・サスペクツ」「キャッチ・ミー・イフ・ユーキャン」などなど、その多くは、騙す危うさから生まれる緊迫感を見せることで映画として成立しています。
しかし、この「コンフィデンスマンJP」は騙すことを隠し、最後に実は騙していたんだよと観客に明かします。ですので、映画として、最後に明かすまで何で見せていくかといいますと、登場人物のキャラクターとギャグと、そして小ネタです。ほぼすべてのシーン、それに頼っています。
長澤まさみさんのはじけキャラと、東出昌大さんのほのぼのキャラと、小日向文世さんの気のいいおっちゃんキャラ、そして他の登場人物が準レギュラーなのか初登場なのかもわかりませんが、皆こいーキャラとして登場します。
ですから、テレビのバラエティー番組を見ているような気楽さで頭を空っぽにしてみることができます。
というのが、もちろんコンフィデンスマン初心者の見方です。
で、どんでん返しのどんでん返しのどんでん返し。
ああ、そうなのねと、すっきりした気持ちで帰路につけるのです。