そんなには褒めないよ。映画評

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怒り(DVD)

原作を損なうことなく、後半は結構いける

2019/05/17

やっと DVD(Blu-ray)借りられました。

原作を読み、

映画に乞うご期待! ということになるのでしょうが、まあ例によって原作を読んで見た映画に満足などできるわけもなく、正直このキャスティングを見ても、もうこりゃダメでしょう(すみません)と思うわけです(笑)。

などと、下の別ブログの記事に、やや冷笑気味に笑までつけて書いたことを謝らなくてはいけません(ペコリ)。

www.tokotokotekuteku.com

前半はかったるかったんですが、後半は集中して見られました。特に千葉のパートの宮崎あおいさん(以下、皆、さんなし)が無茶苦茶よかったです。

過去数本は見ているにもかかわらず、ずっと「NANA」のイメージのままだったのですが、これですっかりそのイメージも落ちました。

一貫してよかったのですが、特に、田代が犯人ではないかと父親に言われ、町の掲示板の手配写真をじっと見るシーン、海のきらきらをバックにした横からのショット、父親との会話、「お父ちゃん、私が田代くんと暮らすの反対?」「そんなことねぇよ」「じゃ、心配?」「そりゃ…」とあり、そして「愛子だから?」と、んー、難しいところなんですけどいい顔ですよね、泣いたり笑ったりではありませんので余計に難しいシーンです。

さらに、自分から田代を警察に通報した雨のシーン、そして田代が犯人でないと警察から知らされるシーン、渾身の演技という言葉も軽く感じられます。 

映画の構成が、直接関連のない3つのパートと事件を捜査する警察のパートの4つをかなり細かく切り刻んで編集されていますので、俳優としての宮崎あおいを見るという点ではちょっと残念な感じはあります。

渡辺謙の演技は当然としてもこの二人の組み合わせもよかったです。

あと、俳優としては、沖縄パートの辰哉少年をやっていた佐々本宝、このパートは広瀬すずがメインでしょうから、最初のシーンは透き通る海を真上からとらえてボートの広瀬すずへと、佐々本宝に印象が残るようには作られていないのですが、その後は登場の度にどんどん存在感を増していきます。

犯人の田中を刺し殺す最後のシーンはちょっともの足りませんでしたが、これは演出の問題でしょう。

映画の作りは上にも書きましたように4つのパートが相当に細かくカットバックされています。3つのパートに実質的な関連性はありませんので当然の手法だとは思いますが、全編通して同じ手法というのはどうだったんだろうという感じがします。後半はクライマックスに向けて畳み掛けるようにもっていくことで正解かと思いますが、前半はもう少しじっくり見せる方法もあったのではないかと思います。

原作との関連でいえば、確か刑事の北見(三浦貴大)を描いたパートが結構あったように思うのですがすっかり落とされています。北見の目線を強調したカットが何シーンかあったのですがそれだけでした。映画的にはすっきりして(どうかな?)よかったのかも知れませんが、この北見のパートも他と同様に「人を信じることの難しさ」が描かれていますので入れてもよかったようにも思います。

いずれにしても、全体として、原作をうまくとらえつつ、映画としても完成されたものになっているといえます。

ところで、血で書き殴られた「怒」や壁に刻まれた「怒」の文字、文字で読んでいる分には気になりませんでしたが、ああしてビジュアルにされますと、すごい違和感があります。

人間に「怒り」があるとして、あんなふうに手間ひまかけて「怒り」なんて書いたり、刻んだりすることはないでしょう。

怒り

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