カミング・ホーム

着想がユニークで面白いほっこり系コメディ…

大人版 E.T. 、いや高齢者版 E.T. ってとこですね。ファンタジーですので何でもありで楽しく見られます。

カミング・ホーム / 監督:マーク・タートルトーブ

ネタバレあらすじ

ミルトン、E.T. と遭遇する

ミルトン(ベン・キングズレー)は79歳、妻は亡くなっており一人暮らしです。町議会の一般公聴会に出席して意見を言うことが唯一の生きがいのような生活です。毎回、町のスローガン ”A Great Place To Call Home”(住みやすい町)は電話で云々(大したことじゃないので略…)と間違えられるとか、どこどこに信号をつけて欲しいと同じことを言っています。

公聴会の出席者の多くが高齢者であることを見せていました。意見を述べるのは他にサンディ(ハリエット・サムソン・ハリス)とジョイス(ジェーン・カーティン)、二人の高齢の女性です。サンディは高齢者と若者の交流プロジェクトを提案し、そのお試しとしてポスターを掲示してもいいかと許可を得ています。これは後々の展開へのフリです。

ミルトンには獣医の娘デニス(ゾーイ・ウィンターズ)がいます。デニスはミルトンが認知症の初期にあるのではないかと心配し頻繁に検査を勧めてきます。本人も自覚があるようで不安は感じるものの頑として受け付けません。

ある夜のこと、大きな音で目を覚ましたミルトンが庭に出てみますと宇宙船が墜落して煙を上げています。緊急ダイヤル(110+119のようなもの…)に通報しますがイタズラはやめてくれと電話を切られてしまいます。公聴会でも宇宙船が墜落して花壇や鳥の水飲み場が壊されたと話しますが誰も信じません。

そしてその夜、ミルトンは庭で倒れている E.T.(Extra-Terrestrial 地球外生命体)を発見します。ただ、この E.T. は本家とは違って完全なる人型生命体です。

これは終盤のシーンですが、右から E.T. のジュールズ(Jules)、ミルトン、サンディ、ジョイスです。ジュールズを演じているのはジェイド・クオンさん、スタントウーマンで身長は 4ft.11in. とありますので150cm くらいです。 特殊メイクでしょうか、目の演技でいい感じを出していました。

原題にもないっている Jules、サンディがこの名がピッタリくると言って名付けていました。どういうニュアンスなんでしょう。

ジュールズ? ゲイリー?

ということで、後にジュールズとなる E.T. と遭遇したミルトンが戸惑いながらも交流を深めていくという映画です。ほっこり系コメディですのでとんでもなことが起きても決してシリアスになることはありません。ベン・キングズレーさんの淡々とした演技がとてもいいです。

まず、その夜は庭に倒れているジュールズにブランケットをかけ、コップ1杯の水を近くに置いておきます。そして翌朝、仕草で家の中に招き入れ、水を与えます。なにか食べるものをと考えますが検討もつきませんので、スライスしたりんごにサンドイッチにパスタを用意してジュールズの前に置きます。

ジュールズはりんごを食べました。その日からスーパーマーケットで大量のりんごを買うミルトンです。それがデニスに知れて、ますます認知性を疑われることになり、後に強制的に検査を受ける羽目になります。

ミルトンが家中をていねいに案内するところなど、結構面白いです。自由に使ってくつろいでくれということです。

そうこうしているうちにジュールズのことがサンディに知られてしまいます。若者との交流プロジェクトのポスターを印刷させてくれとやってくるわけですが、サンディも夫を亡くして一人住まいですので寂しさからという設定だと思います。

サンディも一瞬は驚きはするもののその後は宇宙船の話は本当だったのねとごく自然に受け入れていきます。こうなったら誰にも知られないようにしなくっちゃねと秘密を楽しむかのようです。

しかし、ジョイスにも知られてしまいます。ジョイスも一人住まいですがかなり高齢の猫と暮らしています。これも終盤へのフリです。

ジョイスはミルトンと親しくなりたいと思っているのかもしれません。ミルトンの家の前を車で見張るように走っているときにサンディが中にいるのを見てやってきます。そしてジュールズの存在を知ることになります。ジョイスも驚くことなくジュールズの目を見てわかっているみたいと言っています。サンディがジュールズと呼ぶのを聞いて、ジュールズじゃない、ゲイリーだと言います。

これはゲイリー・ジュールズ(Gary Jules)というミュージシャンがいることからのシャレのようです。ジョイスは後に「フリー・バード」という曲を爆唱しますのでこの人の曲かと思いましたら違っていました。レーナード・スキナードというバンドの曲でした。

突然、頭が爆発?

サンディの家です。若者との交流プロジェクトのポスターを見たという男が訪ねてきます。しばらく話した後、男はトイレを借りたいと言い二階に行きます。サンディは男がなかなか降りてこないものですから様子を見に行きますと男はチェストを物色しています。男はサンディに襲いかかり首を絞め始めます。

ミルトンの家ではジュールズの様子が変わります。聞こえないサンディの叫び声を聞いているかのようです。次第に顔の色が紅潮(赤じゃないけど…)してきます。

サンディの家です。警官が来ています。サンディは突然男の頭が破裂したと言っています。衣服には血が飛び散っています。

7匹の猫の死骸?

わりと早い段階から国家安全保障局(NSA)のシーンが挿入されています。そこは数え切れないほどのモニターが並ぶ調査室です。すでに NSA は UFO の存在を確認しており追跡していたのです。

ジュールズの宇宙船は不時着です。ジュールズは早く宇宙船を修理して飛び立ちたいわけですが、何かが足りないようです。

そんなある日のこと、ミルトンの家の3人はなにか臭うねと言い、庭に出てみますと猫の死骸があります。ジュールズが車に轢かれて死んだ猫を持ってきたようです。ミルトンははたと気づきます。以前からジュールズが猫の顔を7つ書いた紙を渡してくれていたのです。ジュールズは7匹の猫の死骸がほしいと言っているのです。

ミルトンは獣医のデニスに電話をして死んだ猫はどこへ行くのかと尋ねたりしますが埒が明きません。3人は車に轢かれて死んだ猫を探し始めます。6匹揃いました。あと1匹です。ミルトンとサンディはジョイスを見つめます。ジョイスは決心し飼っている猫を差し出します。猫はジュールズの超能力で静かに息を引き取ります。

ジュールズが7匹の猫の死骸に布をかけて超能力をかけますとワインカラーの大きな宝石のようなものに変化します。宇宙船の燃料です。

出発可能となった宇宙船とジュールズ、そして見送る3人です。ミルトンがジュールを招き入れたときにした仕草をジュールズが真似て宇宙船に誘っています。迷うミルトン、そのとき、UFO の不時着場所をつかんだ NSA が急行してきます。慌てて宇宙船に乗り込む3人、そして飛び立っていきます。

宇宙船の飛び立ち方がギャグっぽくて面白かったです。チョロチョロチョロっと消えていきました(笑)。

宇宙船が某所に着陸します。ジュールズの星ではなく地球上でした。3人を降ろし再び飛び立っていきました。

後日、ミルトンの家に3人が集まっています。ミルトンの認知症が進んでいるように見えます。背後の窓越しの庭に宇宙船が降り立ったようです。

感想:着想がユニーク

という楽しい映画でした。

頭が爆発? とか、猫の死骸ってどういうこと? といった奇妙な発想が面白いです。シナリオはギャビン・ステックラーさんという方で顔写真からはかなり年齢がいっている感じです。ただ、IMDb にはこれといった映画はクレジットされていません。

マーク・タートルトーブ監督はプロデューサー業が主で2004年から33本の映画がクレジットされています。結構見ていますね。

「ラビング 愛という名前のふたり」はいい映画でした。

ヨアキム・トリアー監督の「母の残像」もそうだったんですね。

最後に、こういう映画に言うことではありませんが、男女の役割ってこういう映画でもこうなんですね。