青春とは所詮ダラダラしたものではあるが…
今週公開された映画をなにか見ようと思い消去法でポチッとしてしまった映画です。
これが今どきの100%?
この映画を撮った人、また、この映画を見て感情移入できる人が「卒業」なんて映画を見たら、きっとベンジャミンはあぶない人に見えるのでしょう。
という、今どきの100%というのはこんなもの? と思う映画です。
まあ、ただ、タイトルは「まなみ100%」ではあっても、映画自体は主人公の「ボク」が「まなみちゃん」を10年間思い続けてきたという内容でもなさそうで、「ボク」自身が「ボク」のダラダラした(笑)10年間を思い返しているだけの映画であります。
青春時代はある種ダラダラしたものだというのは割と普通のことではありますが、問題はそれを映画にする場合にただダラダラを描いているだけでは映画にならないということです。
なにを撮りたいのかわからない…
「ボク」は高校に入り、部活の体操部に入り、同級生のふたりの男とまなみちゃんと親しくなります。また、体操部にはふたりの男女の先輩と顧問の教師がいます。
2010年から1年毎に年数のスーパーが入り、こんなことがあったあんなことがあったとこの7人を巡る話がただ何というわけでもなく並んでいるだけの映画です。
「ボク」のまなみちゃんへの思いにしても、時々「ボク」がまなみちゃんに「結婚しよ」と言うだけですし、部活の体操にしてもどの程度のものかもわかりませんし、大学にしても1年浪人したらしく、そのことも1年浪人したと一言で済ませています。
大学に入れば入ったで今度は映画研究会の日々しかシーンはなく、なぜ映画に興味を持ったかもわからず、ましてやなにを撮ろうとしているのかもわからないままに映画を撮り、それが劇場公開されるかもわからないと言い、自主上映だとは思いますがどんな映画かもわからないままに劇場で上映されるシーンまであります。もちろん上映しましたと言っているだけです。
で、10年後の現在、まなみちゃんの結婚式の日、「ボク」はその結婚式のビデオ撮影を引き受けているのです。「ボク」がまなみちゃんを見つめるアップのカットが入って終わります。
その時、「ボク」が何かを思っているとしても、ああそうなの程度にしか伝わってはきません。
見る映画を間違えたといえばそれまでですが、もう少しなんとかならんもんでしょうか。
新進気鋭の俳優陣が終結?
誰とわかるのは「サマーフィルムにのって」の伊藤万理華さんくらいですのでみな新鮮と言えば新鮮ですが、どの俳優も新進ではあっても気鋭さを求められるシーンがありませんのでそれを言われてもということじゃないでしょうか。
先輩役の伊藤万里香さんはいきなり入院させられ、そしていきなり葬式をあげられていました。
川北ゆめき監督の実話ものという記事を目にした記憶があり、そうだとすればやむを得ないところもありますが、「ボク」を演じる青木柚さん以外、俳優としての表現力を求められるところがありませんのであまりやりがいはないでしょう。
ということで、いろいろな映画があっていいとは思いますので、単に好き好きのレベルの話ではあります。