แวะมาคิดถึงกันบ้างนะ เพื่อนไม่สนิททุกคน
タイの映画製作会社 GDH559 は日本を有望な市場とみているようですね。というより世界かも知れませんが、ウィキペディアの内容が異様に充実しています。会社ページだけではなく、それぞれ製作した映画のページも無茶苦茶詳しいです。英語版よりもです。
現在、GDH559 製作の映画はこの「親友かよ」と「おばあちゃんと僕の約束」が公開中です。過去には「ふたごのユーとミー 忘れられない夏」「プアン/友だちと呼ばせて」「ハッピー・オールド・イヤー」「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」が日本で公開されています。

友情物語かと思ったら違っていた…
高校生の友情物語です。
いや、よくよく考えますと友情関係を描いているわけではなく、友情とは何かと問いかけつつ、こうだよと説明しつつ、結局よくわからない映画でした。
別にひねくれたことを言おうとしているわけではありません(笑)。この映画が友情物語であるとすれば、それは主人公であるペー(アンソニー・ブイサレート)とジョー(ピシットポン・エークポンピシット)との物語であるはずですが、少なくとペーは最後の最後までジョーに友情意識を抱いていません。ペーはジョーがオームの小説を盗んだと思ったまま終わっています。
ジョーが自分のためにではなく(かどうかはよくわからないが…)、オームのためにコンテストに応募し、受賞したことを確認できたことで満足し、即座に友達のものだから辞退するとメールしたことを知っているのはわれわれ観客だけで、ペーも映画の中の誰も知りません。
ウィキペディアのあらすじではペーはそれを知っていることになっていますが、映画の中ではペーはジョーが小説を盗んだと思っているからこそパワポ映画に作り直しているわけです。
それにジョーに盗用のつもりがないのであればオームの名前で応募すればいいわけですのでシナリオ自体にあまり整理がついていないのだと思います。
と、まあ最初から面倒くさいことを書き始めてしまいました(笑)。
早い話、そんな正面からどうこう語るような映画ではありません。むしろ、オチの付け方を評価すべき映画かと思います。
映画がうまくできたと思った矢先、ジョーの小説がオームの盗用であることがわかり、それでもペーは自分の大学進学のためにジョーの名をオームに変えて発表すると言い出し、それがためにボーケー(ティティヤー・ジラポーンシン)との関係もまずくなり、八方塞がりのジョー、さて、どうやってこの映画「親友かよ」を盛り上げる? と思っていましたら、なんと! パワポ映画のまま発表して映画を盛り下げていました(笑)。
なかなかできないことではあります。結局、この映画、ペーとジョーの友情物語ではなく、ペーとボーケーの映画づくりの青春映画なんだろうと思います。ラストシーンがそれを示しています。それに、ペーたちがつくる映画は実際にある映画の模倣ですし、台詞や音楽に映画監督の名前がたくさん使われていました。
それにしても人間関係のあれこれを詰め込みすぎて、その内実を描くことなく、そのどれもスッキリさせないままというのは映画としてどうなんだろうとは思います。
主演俳優が内容にあっていないかもね…
映画の内容はこんな詳しいあらすじ見たことがないと言うほどに書かれているウィキペディアをどうぞ(笑)。
監督はアッター・ヘムワディーさん、1991年の10月生まれですから現在33歳ですか。日本の公式サイトの紹介文に「「地球で最後のふたり」などで知られる小説家・映画制作者のプラープダー・ユンとの仕事でキャリアをスタートする(公式サイト)」とあるのは浅野忠信さん主演の「地球で最後のふたり」のことですね。なにか書き残したような記憶があるのですがこのサイト内にはないです。まあ、あったとしてもいいこと書いた記憶はありません(ゴメン…)。
アッター・ヘムワディー監督はこの映画がデビュー作らしく、MV や CM などの映像制作を手掛けているとあります。確かにこの映画もそういったつくりが多く、前半はちょっと首をひねるくらいに、え、予告編? と思ったくらいで(ゴメン…)、後半になってなんとからしくはなっていました。
ペーを演じているアンソニー・ブイサレートさんとボーケーを演じているティティヤー・ジラポーンシンさんは「ふたごのユーとミー 忘れられない夏」の主演のふたりです。
ほぼ同じ頃に撮られているようです。
この「親友かよ」はテイストとしてはコメディですが、二人ともあまりピッタリきていないです。二人ともコメディ向きじゃないということでしょう。
ジョーのピシットポン・エークポンピシットさんは初の映画出演のようです。いいキャラしてるといった印象ですので出演作も増えていくような気がします。
ところで卒業式のボーケーの式辞ですが、ウィキペディアですと「たまにはお互い寂しがろうよ、親友じゃない友達の皆さん!」となっていますが、字幕ってそうでしたっけ?
ウィキペディアにはその台詞のタイ語「แวะมาคิดถึงกันบ้างนะ เพื่อนไม่สนิททุกคน」、Google翻訳では「あまり親しくない友達の皆さん、時々立ち寄って私のことを思い出してください」となります。
という映画でした。