(DVD)サラリーマンから将棋のプロへ
将棋の世界のことなどまったくわかりませんが、こういう映画を見ますと藤井聡太くんは超超天才なんだということがわかります。
プロの棋士になるためには、奨励会に入り26歳までに三段リーグ戦で上位ふたりに入らなくてはいけないらしいのですが、この映画の主人公で自伝小説の原作者瀬川晶司さんは、年2回あるリーグ戦に8回のチャンスがあったのに夢を果たせなかったわけです。
藤井聡太くんはそのリーグ戦を中学2年の時に1回で通過してプロになっています。
ただし、天才だけが主人公になるわけではないというのがこの映画です。どういう話かを、公式サイトのイントロダクションやストーリーよりも(ペコリ)ウィキペディアのほうが簡潔ですので引用しますと、
『泣き虫しょったんの奇跡』(なきむししょったんのきせき)は、将棋棋士・瀬川晶司の自伝、及びその映像化作品である。サブタイトルは『サラリーマンから将棋のプロへ』。
全国中学生選抜将棋選手権大会で優勝して奨励会入りしたが、年齢制限で退会し、大学を経てサラリーマンになって安定を得たものの、アマ強豪としてプロ公式戦に参加して7割を超える勝率を挙げ、多くの人々の支援を得て日本将棋連盟を動かし、規定に存在しないプロ編入試験を実現し、合格するまでの瀬川の前半生を記している。
(ウィキペディア)
という内容です。
かなり頑張った映画に感じます。
将棋の対戦自体はほとんど動きがありませんし、指し手(言葉が正しいかどうかもわからない)の緊張感を表現したとしても将棋を知らない者に伝わる可能性は低いでしょうから、普通に考えれば将棋以外のところに映画の軸を持っていくのではないかと思いますが、この映画は対戦など将棋のシーンがかなり多く、将棋そのものを描こうという意欲が感じられます。
それもそのはずで豊田利晃監督自身が9歳から17歳まで奨励会に在籍していたとのことです。それに映画化できたのは、時期を考えますと藤井聡太くんの活躍が影響しているかもしれません。
頑張っている印象があるにしても、やはり単調です。劇場であればなんとか集中力も維持できるかと思いますが、さすがにDVD鑑賞ですと難しいです。
ただ、単調になりがちな対局シーンをエレキギターのソロ(だったと思う)で緊迫感を演出していたのは印象的でした。
それにしても出演者が…、なんていうんでしょう、多彩? といいますか、登場シーンが少ない役にも主役級が配役されていたり、脇を固める面々は脇役オンパレードの趣です。
たとえば、藤原竜也さんなんてわずか10秒くらい、瀬川晶司(松田龍平)がプロ編入試験を受ける際に通りすがりのファンとして「頑張ってください」と言ってすれ違うだけです。
それにプロ編入試験の対局の5人は本物のプロ棋士のようです。
将棋の世界をよく知っていればかなり面白い映画なのかもしれません。
主役の松田龍平さん、心優しき人物を飄々と演じていましたが、演出意図とは言え、良かったのかもうひとつだったのかかなり微妙ではありました。それに全然泣き虫じゃないじゃないというしょったんでした。