ソニア・ヴィーゲット復権のノルウェー国内向けの映画
いくら日本人がナチス絡みの映画を好きだからといってもこの映画は日本じゃ無理でしょう。
「第二次世界大戦中、ナチス占領下のノルウェー。女優として活躍しながらスパイとしてナチスに潜入した女性の驚愕の実話。 激動の時代を生き抜いたソニア・ヴィーゲットの真実の物語。」という映画です。
いや、違うでしょう。
この映画は、長らくナチスの協力者の汚名を晴らせなかったソニア・ヴィーゲットさんが、実はスウェーデンの諜報機関に雇われた二重スパイだったと、本人の復権のためにノルウェー国内向けにつくられた映画だと思います。
ソニア・ヴィーゲットさんは1980年に亡くなっており、25年後の2005年にスウェーデンの公文書(でしょうか)で事実が明らかにされたとのことです。そうしたこともありノルウェーでさえソニア・ヴィーゲットさん本人がさほど知られている方ではなさそうです。
登場人物の相関はさほどわかりにくくないのですが、なぜか映画のつくりがとてもわかりにくいです。私が落ちていたかも(笑)と思うくらいやっていることがわかりにくいです。スウェーデンとノルウェーを行ったり来たりするからかも知れません。
時代背景としては、当時ノルウェーはナチスドイツに占領されていますがスウェーデンはなんとか中立を保ち独立を守っている状態です。
そうした背景の中で、
- まず最初にソニアがノルウェーで人気のある俳優であると示されます
- ナチスドイツの国家弁務官としてヨーゼフ・テアボーフェンがやってきます
- ヨーゼフのディナーをソニアがすっぽかします
- ソニアの父親がナチスドイツに拘束されます
文章にするのが面倒なので(笑)リストです。
今あらためて思い返して整理してみますとここまでがノルウェーでここからスウェーデンですね。
でも、ソニアは何をしにスウェーデンへ行ったんでしょう?
なにか見落としていますね。と言いますか整理して理解しようという意欲を失っていたかも知れません。
- ソニアはハンガリーの外交官アンドル・ゲラートと知り合い愛し合うようになります
- スウェーデンの諜報機関がソニアに近づき、スウェーデンの情報をナチスドイツに流しているスパイ「マリア」が誰なのかを探るよう命じます
ここもわかりにくいですね。諜報機関はソニアの父親をどうこうする条件を出していたと思いますが、拘束しているのはナチスドイツでありスウェーデンではありません。
どういうことなんでしょう?
結局ソニアは父親の解放を願ってスパイになるのですが、なぜソニアは父親を助けるためにスウェーデンのスパイを引き受けるのでしょう。
実際、後日父親は解放されますが、それはヨーゼフが命じたからです。なにか見落としていますかね。
- ソニアはヨーゼフに近づき、いわゆる愛人関係になります
- ヨーゼフはソニアにスウェーデンの動向を探るよう命じます
- 父親は解放されます
- ソニアはヨーゼフのオフィスから情報を盗み出します
これもソニアは何を盗み、それが誰に渡り、どうなったかまったくわかりません。
ん? マリアか…、そうですね。
夜中にこっそり写真撮ってましたけど、暗すぎません? それにスパイの情報なんてあんなところにありませんわね。
とにかく、これ以降ヨーゼフは出てきません。ああ、ここでソニアは再びスウェーデンに戻ったということですね。
あれだけ近くにいた女が突然いなくなってヨーゼフは何もしないんですかね。
- ソニアとアンドルは無人島のような島にいきます
よくわかりませんがとにかく行くのです(笑)。
- ソニアはアンドルの鞄の中に写真(スウェーデンの海岸線?)を見つけ、アンドルがマリアではないかと考えます
ここらあたりからはもうお手上げです。
でもないのですが(笑)省略ということで、結局、アンドルはマリアではなく、誰だかわからない、それまで映画の中で出てきたかどうかさえ(私には)わからない男がマリアだったと明かされて映画は終わってい(たと思い)ました。
実話ベースということでやむを得ないにしてもドラマとしても単調、スパイものにもなっておらず、ナチスドイツを扱っていてもシリアスにもならず、何をおいても映画としてわかりにく過ぎます。
やはりこれはどう考えても日本で公開するような映画ではありません。
ソニアをやっているのは「ニューヨーク 最高の訳あり物件」のイングリッド・ボルゾ・ベルダルさんでした。ノルウェー出身の俳優さんだったんですね。