「私たちの初恋の相手は自然でした」で始まるが… 映画.comの紹介文で「もしも建物が話せたら」のマルグレート・オリン監督と製作総指揮のヴィム・ベンダースさんの名前を目にして、これは見なくっちゃとポチッとしたんですが…。SONG OF EARTH/ソング・オブ・アース / 監督:マルグレート・オリン「もしも建物が話せたら」は...
韓国版ではシスターフッド意識を感じたが、オリジナルは青春恋愛もの… 今年2月に見た韓国でのリメイク版「ソウルメイト」のオリジナル版です。その韓国版がわりとよくできていたことと、このオリジナル版の監督が「少年の君」のデレク・ツァン監督ということで一度見てみようと思いつつも今になってしまいました。ソウルメイト/七月と安生 / ...
男性を奥に追いやり、ふたりの女性に焦点を当てているのがとてもいい… 日本の公式サイトや映画.com には「新たに」とか「新たな」とか紹介されていますが、要はデレク・ツァン監督の「ソウルメイト 七月と安生」の韓国版リメイクです。その元映画は見ていませんが、デレク・ツァン監督の「少年の君」はよくできた映画でしたので見てみました。リメイクなので映画の出来...
人生に意味はない、なんのために生きるかではなく義務だ… 故郷に埋葬してほしいとの亡き妻の願いを叶えようと、おじいさんと孫娘が棺を担いでトルコからシリアまで旅をする(帰ろうとする…)というトルコ映画です。引用の画像やタイトルの葬送などといった言葉からは重く暗い映画かと思ってしまいますが、そうではありません。どちらかと言えばファンタジーです。それになか...
カンボジア系フランス人の監督が韓国系フランス人のアイデンティティのゆらぎを追う… フランス人の養女としてフランスで育った韓国系フランス人の女性が韓国で実の両親を探すという映画です。ただ、それを撮ったのがカンボジア系フランス人のダビ・シュー監督という、ちょっと変わった映画です。カンボジアではなく韓国というのはどういう経緯なんでしょう。...
レア・セドゥの魅力が裏目か…、ミア・ハンセン=ラヴ監督の新機軸か… 自伝的、あるいは自分の家族を題材にすることが多いミア・ハンセン=ラヴ監督の最新作、昨年2022年のカンヌ国際映画祭監督週間で上映され、ヨーロッパ・シネマ・レーベル賞を受賞しています。前作の「ベルイマン島にて」では自分自身ですし、「未来よ こんにちは」でイザベル・ユペールさんが演じた...
ネタバレレビュー・あらすじ・感想・評価 「何者」「娼年」の三浦大輔監督です。私が見ているその二作は原作ものですが、この「そして僕は途方に暮れる」は三浦監督のオリジナルです。主演は藤ヶ谷太輔さん、Kis-My-Ft2の方とのこと、他に前田敦子さん、中尾明慶さん、原田美恵子さん、豊川悦司さんといったところです。そして僕は途方に暮れる ...
三浦透子主演のポリコレ的ホームドラマ 三浦透子さんのうまさが光り、前田敦子さんの異星人的存在感(笑)が光るポリコレ的ホームドラマです。監督は劇団「玉田企画」を主宰する玉田真也さん、脚本はアサダアツシさん、どちらも初めて見ます。そばかす / 監督:玉田真也三浦透子、そして前田敦子という俳優三浦透子関連出演作ドライブ...
黒人差別、ジェンダー意識が見え隠れするセンスのいい映画 ツイッターへの投稿から生まれた映画です。2015年に Aziah "Zola" King のアカウント名で投稿された148ツイートとローリングストーン誌の本人へのインタビュー記事がベースになっています。内容はストリップ・ポールダンサーが意に反して売春行為に巻き込まれる話ですが、コメディタッチで...
ややオフビート、ややシュール、総じて真面目で優しい映画 原作の漫画も大橋裕之さんという方も知らないのですが、先行上映ということで見てきました。雰囲気的になんとなくギャグ系なんだろうなあと思って見に行ったのですが、そうでもなくシリアスということでもないのですがいたって真面目な(?)映画でした。ちょっとオフビートっぽいところもありますし、シュールなところもあります。...
フィジカルタッチイメージフィルム テレンス・マリック監督はもう充分ですと思っていたんですが、ルーニー・マーラさんが主演ですので見てきました……ら、やっぱり、テレンス・マリック監督でした(笑)。ソング・トゥ・ソング / 監督:テレンス・マリックテレンス・マリック監督もルーニー・マーラさんの横顔が好きなんですね(笑)。 2時間強のフィジカルタッチイメージフ...
(DVD)前田敦子を活かせていない…ということか 前田敦子さん主演ということでレンタルしたんですが、劇場ならもう少し見られたんでしょうか、さすがに目の前のモニターじゃ無理でした。そもそも集中させるような映画ではありませんし、かと言って笑わせる映画でもありませんし、なにが狙いなのかかなり曖昧です。葬式の名人 / 監督:樋口尚文なるほど、大阪府茨木市の市...
三代目JSBは多部未華子が見る空にはいない 多分 EXILE の持ち込み企画ですね。ですが、結果として多部未華子さんで持っている映画です。そして、その周りにややこしい人物を配して煙に巻いた(笑)青山真治監督の力で、あるいは脚本に名前が入っている池田千尋さんということもあるかもしれませんが、脚本と演出で持っている映画です。空に住む / 監督:青山真治基...
ソニア・ヴィーゲット復権のノルウェー国内向けの映画 いくら日本人がナチス絡みの映画を好きだからといってもこの映画は日本じゃ無理でしょう。「第二次世界大戦中、ナチス占領下のノルウェー。女優として活躍しながらスパイとしてナチスに潜入した女性の驚愕の実話。 激動の時代を生き抜いたソニア・ヴィーゲットの真実の物語。」という映画です。ソニア ナチスの女スパイ / 監...
逃避行ものなのに「僕たちには明日は続く」 男女の逃避行ものと言えば「俺たちに明日はない」に勝るものはありません。と、言い切ることに異論のある方はいないと思いますが(笑)、果たして「ソワレ」は現代の「俺たちに明日はない」になったのでしょうか。ソワレ / 監督:外山文治んー、ラスト、そこへ行くんかい…(涙)。まあオチのつけかたが現代的といえば現代的で...
ラストはどちらに取るにしても衝撃的。怖さだけが残らなければいいが… ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟監督、ほぼ3年に1本というペースが守られています。映画制作のプロセスが3年で出来上がっているんでしょうか、今回も2016年の「午後8時の訪問者」に続いての「その手に触れるまで Le jeune Ahmed(Young Ahmed)」です。この兄弟監督、初期...
ノスタルジックな映像と余韻ある俳優の演技の調和 1980年代が舞台のベトナム映画です。ベトナムの1980年代といいいますと、ベトナム戦争は1975年に終結しているのですが、その後もカンボジアでの覇権争いや中国との戦争があり、安定の兆しが見え始めるのは1990年以降ですので、政治的にも経済的にも大変な時代だったと思います。ドイモイ政策が始まるのも1986年です。た...
笑いと差別は紙一重…かな? 一作目の「ゾンビランド」の成功の後、かなり早い段階から続編の話が出ていたように思いますが、やっと「ゾンビランド ダブルタップ」登場です。ゾンビ好きというわけではありませんが、こういうただひたすら理屈を超えた展開のおバカ映画は大好きです(笑)。言わずもがなですが、何かを語るような映画ではありませんので、以下、感想程度です。ダブルタップは...
この閉ざされた世界から抜け出す先もまた国境に閉ざされた町 「象は静かに座っている」上映時間234分ですからほぼ4時間の映画です。監督のフー・ボーさんは、この映画がベルリン国際映画祭のフォーラム部門でプレミア上映された昨年2018年2月16日から遡ることおよそ4ヶ月前の2017年10月12日に自ら命を断っています。その理由をウィキペディアは「his death w...
「僕を産んだ罪」で両親を訴える子どもの絶望 ゼインという、実名と同じ役名の12,3歳の少年を演じているゼイン・アル=ラフィーアくん、下の画像の少年ですが、彼の演技があっての映画です。俳優ではなく、シリア難民で、現在は家族とともにノルウェイで暮らしているそうです。存在のない子供たち / 監督:ナディーン・ラバキーこの映画で描かれる貧困や児童婚はあってはな...